Album Review "ETC"
アルバム・レビュー"ETC."



Various Artists
The Best Of James Bond 3th Aniversary Collecton"
Produced by Richard Perry
/Berinie Edwards, Jason Corsaro
& Duran Duran/Bill Conti/Geroge Martin
/John Barry/Jason Corsaro, a-ha
& John Barry/Narada Michael Waiden & Walter Afasief/Phil Ramone
/Wes Farrell ('92)
1 Written by Monty Norman
2 by Leslie Bricusse
/Anthony Newley/John Barry
3 by Marvin Hamlisch
/Carole Bayer Sager
4 by Duran Duran/John Barry
5&14 by John Barry/Leslie Bricusse
6 by Bill Conti/M.Lesson
7&15 by Hal David/John Barry
8 by Paul McCartney/Linda McCartney
9 by John Barry/Tim Rice
1 by Paul Walker/John Barry
11 by Narada Michael Walden/Jeffrey Cohen/Walter Afanasieff
/John Barry/Leslie Bricusse
/Anthony Newley
12 by Lionel Bart
13,17&18 by John Barry/Don Black
16&19 by John Barry

1.James Bond Theme
(
ジェームス・ボンドのテーマ)
/Monty Norman Orchestra
2.Goldfinger
/Sherley Bassey
3.Nobody Does It Better
(
私の愛したスパイ)
/Carly Simon
4.A View To A Kill
(
美しい獲物たち)
/Duran Duran
5.Mr.Kiss Kiss Bang Bang
/Dionne Warwick
6.For Your Eyes Only
(
ユア・アイズ・オンリー)
/Sheena Easton
7.We Have All The Time In The World
(
愛はすべてを越えて)
/Louis Armstrong
8.Live And Let Die
(
死ぬのは奴だら)
/Paul McCartney & Wings
9.All Time High
/Rita Coolidge
10.The Living Daylight
/A-ha
11.License To Kill
(
消されたライセンス)
/Gladys Knight
12.From Russia With Love
(
ロシアより愛を込めて)
/Matt Monro
13.Thunderball
/Tom Jones
14.You Only Live Twice
(007
は二度死ぬ)
/Nancy Sinatra
15.Moonraker
/Sherley Bassey
16.Oh Her Majesty's Secret Service
(
女王陛下の7)
/The John Barry Orchestra
17.The Man With The Golden Gun
/Lulu
18.Diamonds Are Forever
(
ダイアモンドは永遠に)
/Sherley Bassey
19.007
/The John Barry Orchestra

関連項目
John Barry "The Knack...

昔、Y君の車にちょっと乗せてもらったとき、BGMは『太陽にほえろ!』のサウンド・トラックだった。何故だか意味もなく「いいな、僕も欲しいな」と思った。同様に『西部警察』のサントラも何となく欲しい。男なら当然か。『007』のサントラも前から欲しかった。

7は嫌いじゃないし、どっちかというと好きだけれども、お金を払って観たのは2本だけだ。一つはショーン・コネリー主演の『ネバー・セイ・ネバー・アゲイン』。これは久々のコネリー・ボンド復帰作で、既に頭にはハンバーグが乗っていた。今はなくなってしまった蕨の映画館で、多分『キャノンボール2』と同時上映だったんではないか。いや、『ダーティー・ハリー4』だったかな。

(3分経過)

いま、パンフレット見てきたら、やはり『キャノンボール』と同時上映だった。何故なら2冊は並んで棚に入っていたから。
と、全くどうでもいい情報をお送りしてしまったが、『ネバー・セイ・ネバー・アゲイン』はなかなか面白かった様に記憶している。特にタキシード姿でバイクに乗るシーンなんてなかなかカッコよかった。
既にじっちゃんのショーン・コネリーではあったが、ロジャー・ムーアに比べると、男の僕が見ても素直にかっこいいと思える何かがあったような気がする。実際、ショーン・コネリーはそのあと頭のハンバーグを取り、様々な役をこなし、第2期黄金期を迎えた。

もう一本はピアース・ブロスナン第一作の『ゴールデン・アイ』である。ピアース・ブロスナンは『探偵レミントン・スティール』の時からのファンだった。(ただし、神谷明・岡江久美子コンビ時代のみ。後のアニメ声声優はブロスナンの漫画的演技は、全く合ってなくて興ざめだった。というか、今思い出しても腹立たしい)
こちらの印象は「こんなもんかな」といったところ。同時期に公開されていた『暴走特急』とストーリーが少しかぶっていた(どちらがパクッたのかは知らない)。ピアース・ブロスナンも、なんだかもう一つフィットしていなくて残念。そう言いつつ、売店で7キー・ホルダー買ったけどね。今でも使ってます。

映画館で観たのは上の2本だけだけど、テレビでしょっちゅうやっていたから、かなりの作品を見ているのは間違いない。でも、どれがどれやらよく分からんよね、正直。最近、『死ぬのは奴らだ』をビデオで借りてみたが、やはり見たことあった。適当にだけど。
ビデオの裏面の宣伝文句の締めくくりは以下のようになっている。

「さらに音楽も豪華にポールとリンダ・マッカートニー作曲で演奏もポール・マッカートニーとウイングス」

「ポール・マッカートニー&ウイングス」ではなくて「ポール・マッカートニーとウイングス」であるところがイカす。あくまで直訳調ですね。

さて、このアルバムの話に戻ると、先に書いたように、7のサントラは前から漠然とは欲しかったところに、こいつを見つけた。ベスト・オブ・7である。当然、かの有名な[1]も収録されている。ポールによる[8]もワン・オブ・ゼムとして収録されていて、なかなか面白そうである。実際、アルバムを通して聴いて、『死ぬのは奴らだ』という曲に対する認識が変わった。

『死ぬのは奴らだ』を初めてちゃんと聴いたのは、『オール・ザ・ベスト』が出たときだ。最初の印象は、「変な曲」であった。なんだか大仰で、それでいて捉え所の無い。いい曲なのか悪い曲なのかも判断しかねた。
その印象がまず変わったのが、9年の日本公演で聴いた時。ポールは好んでこの曲をライブで取り上げているのだが、楽しかったなあ、花火はドカンドカンいくし、照明もチッカチッカ。曲調もライブ向きだし、盛りあがる盛りあがる。
実際それまで、「ポールを生で見ている」ということを意識しすぎちゃって、何事も見逃すまいと、真面目に見入っていたんだけど、この曲ばかりは、ちょうど映画『ロック・ショー』の中に映っている観客みたいに、無責任に「イエー!」と楽しむ事が出来た。

積極的に好きな曲になった後も、「変な曲」という認識自体は変わっていなかった。どう考えてもやはり他のどの作品にも似ていな異色作ではある。唯一ミドルのレゲエっぽくなるところはポールっぽいが、他は、どうもねえ、なんだろう、と思っていた。

さて、このアルバムを聴いてみると分かるが、7の音楽の原型というか、典型というか、そのものというか、とにかくそれを作ったのは、ジョン・バリーという人である。(このページでも取り上げた、リチャード・レスター監督の『ナック』のサントラを手がけた人)
彼は第1作『Dr.No』から第7作『ダイヤモンドよ永遠に』を手がけている(後に『ムーン・レイカー』にも参加)。そして[2]や[18]に象徴されている彼のスタイルは、オーケストラを使った非常に大仰且いががわしいアレンジに乗せて、女性歌手が非常に黒っぽいニュアンスで歌うというもの。大仰、いかがわしい、黒っぽいというのがミソ。

そしてポールとジョージ・マーティンはジョン・バリーの跡を受けて、第8作にしてロジャー・ムーア初主演の『死ぬのは奴らだ』を手がけることになる。彼らがジョン・バリーがそれまで作ってきた音の世界を意識したのは間違い無い。今までの路線を意識しつつ、いかに新しいものを出せるかという、微妙なバランスの上に『死ぬのは奴らだ』という曲は存在しているのだ。大仰かつ変な曲調はそんなことに由来しているのでは。
当初、映画会社はこの曲を他の女性歌手に録音させる事を考えていたらしいが、ポールは、自分にやらせてくれないなら録音させないとがんばったそうである。
彼の代表的な名曲『ロング・アンド・ワインディング・ロード』や『オー!ダーリン』、最近では『スーベニア』等々、彼が黒っぽいボーカルを目指して歌った曲は数多い。(『ロング・アンド…』なんかは本人に言われるまで気づかなかったけど)
そんな事もあって、どうしても自分でやりたかったんじゃないかなと、7の主題歌が。あるいはジョン・バリーが。

さてさて、映画『死ぬのは奴らだ』の話を少し。冒頭、ニューヨークの国連本部、ニューオリンズでの葬儀の最中、そしてカリブ海の島で3つの殺人事件が起きる。全く無関係に見えるこれらの事件がこれから絡み合っていくことを予感させつつ、ポールの声が聞こえてくる。思ったよりはまっているし、なるほどという感じである。
そして曲が終わると女とまどろむロジャー・ムーアが映るという感激もののオープニングだ。(うらわ)

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Various Artists
"Rutles Highway Revisited"
Produced by Kramer ('90)
All Songs Written by Neil Innes

1.Chese & Onions
/Galaxie 500
2.Hold My Hand
/The Pussywillows
3.Number One
Bongos, Bass & Bob
4.Good Times Roll
/Lida Husik
5.Another Day
/Dogbowl
6.Piggy In The Middle
/Das Damen
7.I Must Be In Love
/Syd Straw & Marc Ribot
8.Neverthless
/Joey Arias
9.Let's Be Natural
/When Peple Were Shorter & Lived Near The Water
10.Between Us
Unrest
11.Ouch!
/Peter Stampfel & The Bottlecaps
12.Blue Suede Schubert
/The Tinklers
13.Living In Hope
/Tuli Kupferberg
14.Baby Let Me Be
/Daniel Johnston
15.It's Looking Good
/Uncle Wiggly
16.Goose Step Mama
/Shonen Knife
17.Get Up And Go
/Jellyfish Kiss
18.Doubleback Alley
/King Missil
19.With A Girl Like You
/Paleface
20.Love Life
/Bongwater

関連項目:
Neil Innes "How Sweet To Be An Idiot"

The Rutles "The Rutles"

まったく、CDショップの「ラトルズ」の括りに行くと何枚CDが置いてあることか…。オリジナル・アルバムはもとより、ロン、ダーク等のソロ、ラトルズのインタビューCD(これはオフィシャルなものなのだろうか)、そして各種のカバー・アルバム、トリビュート・アルバム。
『バロック・ラトルズ』やら『ギター・プレイ・ラトルズ』『カラオケ・ラトルズ赤盤・青盤』やら各種ご用意してある。時にはオリジナル・アルバムより数が多いんじゃないかと思うくらいだ。
まあ、LP時代はもっとすごくて、『霧の5Dラトルズ』(ピクチャーで、特殊仕様のジャケを組み立てるとバナナの形になるのがウリだった)やら『アーリー・ラトルズ1952』(アーリー過ぎ。ロンが合唱コンクールに出場した時のもの)やら、『プラチナ・ラトルズ』(単にラジオ出演時のおしゃべりを集めただけ。帯に「スティッグの声が聴ける!??」と書かれていたが、あれはADの声だというのが現在の定説)やら、怪しげなものが堂々と売られていた。
中にはひどいトリビュートものあったなあ。現在は廃盤になっているが、ラトルズがCD化され始めたときに束乏ENIがどさくさに出した日本人アーティストによるトリビュート・アルバム『抱きしめた!』なんてかなりひどい代物だった。特に伊能金次の『グッタイム・トゥ・ロール』なんて、今思いだしただけで…、後は語るまい。

で、各種あるトリビュート・アルバムの中でもお薦めなのが、この『ラトルズ・ハイウェイ・リヴィジッティド』。ラトルズ現役当時のライバル・バンド、ローリング・ストーンズの『ゼア・サタニック・マジェスティーズ・リクエスト』を模したアルバムジャケからして、ヒネリが利いていていかしている。

さて、このアルバム、オルタナ系レーベルの代表格だったシミー・ディスクから出たもの。ミュージシャンにしてシミーの設立者、そして新旧オルタナ系ミュージックのフィクサー的存在だったクレイマー氏のプロデュースによる本盤、当然オルタナ系ミュージシャンで固められている。音は、当然かなり壊れていて、ありがちなラトルズ・カバー集よりかは遙かに楽しめます。途中、ラトルズの傑作パロディー・バンド=ビートルズの楽曲やアレンジも挿入されていたりして、なかなか倒錯気味でいいっす。
とは言うものの、はっきり言ってオルタナ系は全然皆目全く知らないので、クレジットされたミュージシャンで知ってるのはギャラクシー500、少年ナイフくらいだったりします。すいません。

[1]は例のストリングスからスタート。結構安心な出だし。最後の「タタンタ・タンタンタン」という締めの有名なピアノは省略されている。

[2]はなかなか可愛い女の子ボーカルによるにカバー。ヨ・ラ・テンゴと交流があったり、少年ナイフのトリビュート・アルバムに参加してたりしますが、何人?日本人? 結構まんまなコピーだけど、私のお気に入りの一つです。

[4]はロンのパートを美しい女性ボーカルが気だるげに静かに歌い、ダークのパートはばりばりノイジー、フィード・バック全開に転調するという、このアルバムならではのアレンジ。

[5]はあくまでオーソドックス且つ軽やか且つ朗らかなアレンジなのですが、数秒間ずつ各所で壊れるようです(笑)。最後に「ナンバー9、ナンバー9…」と繰り返すところがあるが、これはラトルズの『アーキオロジー』での「ウイ・アー・アライヴ!」で、ロンが「ナンバー2、ナンバー2…」と呟いているのを模したものと思われる。このアルバムのリリース時には『アーキオロジー』はまだ世に出ていなかったわけで、このDogbowlなる人物、そうとうラトルズの海賊盤なども聴き込んでいた方なのでしょう。

静かな[7]は男女二人によるボーカル。アコースティック・ギターのみの演奏で、元歌のメロの良さを改めて思い知らされる。[10][15][18]なども同様に割りと真っ当なアレンジだが、やはりラトルズの場合、楽曲の完成度が元々この上なく高いので、十分楽しめる。

[8]は今度「ゲゲゲの鬼太郎」がアニメ化されたときはエンディングにでも使いなさい、という感じの出来。

[11]は元祖オルタナの一つ、初期ピンク・フロイドの「スケアクロウ」風アレンジにひたすら脱力ボーカルが乗るというもの。ほんと、脱力過ぎて脱力する気力すら途中から失せる凄さ。先に触れたラトルズのパロディー・バンド=ビートルズの「ヘイ・ジュード」のコーラスを超いい加減に歌ったりしていて笑える。何故かベテラン・男性・ボーカル風の[12]もビートルズの「フール・オン・ザ・ヒル」のオカリナを引用している。彼らの倒錯も相当なものだ。

[12]の錯綜具合もかなりのものだ。60年代のディラン風ボーカルに、混沌としてるのか単にいい加減なのかも不明なバッキング。メロも単なるディランであり、「あれ…、元歌が思い出せない」と悩んでしまうほど変わり果てた姿。

そして少年ナイフの[16]。すご過ぎ。故カート・コバーンを始め、海外オルタナ・ミュージシャン達を唸らせ、トリビュート・アルバムまで出ている彼女たちは半端じゃない。大体、歌詞覚えてるのか? ギタリストもちゃんとアレンジ考えてきたか? ドラマーもちゃんと曲覚えているのか? と疑ってしまうが、それら全て魅力に転じさせてしまうのは生まれ持った何かなのか。コンソールの前に座ったクレイマーも受けまくっていたに違いない。

[17]のJellyfish KissはたまにCD屋でJellyfishの区切りに置いてあったりする。ちゃんとしてよ>HMV。ここではかなり真っ当な、ギター・オルタナ・サウンド。

最終曲[20]Bongwaterはクレイマー自身のバンド。確かに気合いの入った演奏、アレンジである。「展覧会の絵」で始まるオープニングでまず笑わしてくれる。あとは複雑に絡むロウ・ファイ且つかなり高度目な演奏が延々たおやかに続く。

と、長々書いてきましたが、ラトルズのオリジナル・アルバムを聴いたあとはついついこういったトリビュートものなどに手を出しがちだが、逆にパロディー・バンドであるビートルズなどを先に聴く方が、個人的にはお薦めかもしれません。(うらわ)

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Soundtrack
"Backbeat"
Produced by Don Was ('94)
1 Writren by Bradford/Gordy
2 by Blackwell/Johnson/Little Richard
3&8 by Williams
4 by Medley/Russell
5 by Bateman/Garrett/Gorman/Holland
6 by Capehart/Cochran
7&10 by Berry
9 by Diddley
11 by Little Richard
12 by Fairchild

1.Money
2.Long Tall Sally
3.Bad Boy
4.Twist and Shout
5.Please Mr. Postman
6.C'Mon Everybody
7.Rock & Roll Music
8.Slow Down
9.Roadrunner
10.Carol
11.Good Golly Miss Molly
12.20 Flight Rock

〜映画『バック・ビート』主なあらすじ〜

時は1960年、ハンブルグに住む画学生、クラウス・ヴーアマンは、恋人・アストリッド・キルヒャーと満ち足りた生活を送っていた。しかし、何の気なしに入ったクラブで聴いたビートルズの演奏に惹かれ、通いつめる。アストリッドを連れて観に行ったとき、いや〜な予感が走るが、案の定ビートルズのメンバーで、男前だがろくすっぽ演奏も出来ないベーシスト=スチュアート・サトクリフに寝取られてしまう。しかも、寝取った現場を目撃された挙げ句、当のクラウスのガウンを羽織って「クラウス…」と謝りに来るのだから、このスチュという男、相当な痴れ者である。
しかし、優しいのか、こちらもただの馬鹿なのか、クラウスはあっさり身を引く。
ところがある日、クラウスがアストリッドとただテレビを見ているところに、スチュが乱入。手前がやったことを棚に上げて、なんの罪もないクラウス殴る、蹴る、叩く。このスチュという男、生まれつきなのか頭を強く叩かれたことがあるせいかは分からないが、時に激昂しやすかったようだ。
しかし、クラウスに喜ばしい事態が起こる。ビートルズからあの糞忌々しいスチュが抜けたのだ。大好きなビートルズがこれでよりラブリーに、と思ってたらスチュが急死。ちょっとだけ可哀想だなあ、と思いつつ、「自業自得じゃ」と思うクラウスであった…。

というのはほぼ嘘で、というか多少ほんとなのですが、このページをお読みなるような方は、ほぼ、この映画はご覧になっているのでは? あるいは観ていなくても、スチュアート・サトクリフがジョンに大きな影響を与えたこと、そして絵の才能を嘱望されながら、62年に急逝したこと、あるいは彼の恋人だったアストリッド・キルヒャーが最初期のビートルズの貴重な写真を撮影したのみならず、彼らの髪型、ファッションにも大きな影響を与えたことはご存じでしょう。

数年前、日本でスチュアート・サトクリフ展というのが行われ、たしかアストリッド・キルヒャーも来日したように記憶してます。筑紫哲也にインタビューをされていたが、非常に理知的で、聡明な女性という印象だった。詳しいインタビュー内容は忘れてしまったが、かなり面白かったような。映画『バック・ビート』の中では普通に英語で会話していた彼らだが、実際にはあまり言葉が通じなかったらしい。あと、筑紫氏に「彼の作品をどう評価されますか?」と訊かれ、「現代美術なので評価は難しい、私には分かりません」というような答えをしていたのが強く印象に残っている。あ、この人すごい正直な人だなあと好感を持ちました。

で、このアルバムだが、ビートルズのいわゆるハンブルグ時代の演奏として劇中使われたもの。
プロデューサーはドン・ワズ。彼の方法論は「自分のイメージにあったミュージシャンを集め」>「どういうアレンジ、レコーディング順序でいくか事前に細かく計画」>「ミュージシャンは録音当日そのプランを伝え、念入りに練習さす」>「録音はほとんど一発録り」らしいが、その意味でこのアルバムは彼の真骨頂と言えるかも。

面子はソウル・アサイラムのデイヴ・ピルナー(ポールのボーカル担当)、アフガン・ウィッグスのグレッグ・デューリ(ジョン・ボーカル担当)、ガンボールのドン・フレミング(ギター)、REMのマイク・ミルズ(ベース)、ニルヴァーナのデイヴ・グロール(ドラム)という、ギター・オルタナ系バンドの錚々たる面々を集めている。恐らくビートルズの初期のアルバムよろしく、かなり短時間でレコーディングをしたものと想像できる。

実際、上の面々を集めてドン・ワズがサントラを作ったという話を聞いたとき、「そりゃ、アイディア勝ちだわなあ」と思ったものです。
でも…、実際に聴いてみると「ん?」という感じもある。「あれ、想像したほどかっこ良くないかな」みたいな。というより、やはり本物の方がかっこいいし、激しいような。「本物」と言ったって、これに近い時代の彼らの音源は、例の音質が地獄的に最低な「スター・クラブ音源」くらいしかないのだが、その最低最悪な音質を越えて、やっぱビートルズってかっこいいんだなあ、と再認識させられました。

曲目をみると、いくつか「お遊び」が発見できる。[6][9][11][12]はビートルズが演奏した音源が残っていない([11]は「スター・クラブ音源」で誰かが「アイム・ア・ロード・ランナー・ハニー!」とだけ叫ぶ声が聴ける)。その意味でこれらはカバーではなく、フィクション、想像の産物なわけです。[12]はそもそもジョンとポールが親しくなるきっかけとなったものとして有名だし、ソロになってからポールが度々取り上げているので、実際に彼らのレパートリーだったことは間違えないだろう。
[6][9][11]もライナーには「彼らのレパートリーだった」と書いてあるが、たとえ事実だとしても、あまり必然性がないというか、これら以外にも取り上げるのに相応しい曲はあるわけで、やっぱ、ここら辺誰かの趣味(ドン・ワズ?)で、「ビートルズが演奏する『カモン・エヴリバディ』や『ロード・ランナー』を聴いてみたい!」って選曲されてる気がする。基本的にその「趣味」に僕も賛成 (^_^)/。
「ロード・ランナー」は劇中アストリッドが写真を撮るシーンにコミカルに使われていたが、「カモン・エヴリバディ」なんて映画中出てこなかったような(ボーっと観てたから気づかなかったのかな?)。

この他、アルバムには収録されていませんが、映画の中ではジョージが唄う「アイ・リメンバー・ユー」、トニー・シェリダンが唄う「マイ・ボニー」、スチュが唄う「ラブ・ミー・テンダー」などを聴くことが出来ます。(いずれも尻切れトンボに終わる)

それにしてもこの映画、スチュやジョン以上にポール、ジョージ、ピート・ベストの描写が秀逸だと思います。ポール、本当にやなやつ(笑)。
(うらわ)

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Original Soundtrack "Backbeat"
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