Album Review "XYZ"
アルバム・レビュー"XYZ"



XTC
"Oranges & Lemons"
Produced by Paul Fox ('89)
All Songs except 3,7&10 Written
by Andy Patridge
3,7&10 by Colin Moulding

1.Garden Of Earthly Delights
2.Mayor Of Simpleton
3.King For A Day
4.Here Comes President Kill Again
5.The Loving
6.Poor Skeleton Steps
7.One Of The Millions
8.Scarecrow People
9.Merely A Man
10.Cynical Days
11.Across This Antheap
12.Hold Me My Daddy
13.Pink Thing
14.Miniture Sun
15.Chalkhills And Children

中期のビートルズのポップさというのはやはりどこか異様なところがあるけど、その異様さを拡大したバンドといえば、この人達でしょう。

アンディ・パートリッジという人は、やはり悪く言えば異様だ。よく言えば変わってる。
雑誌とかで見る彼の写真は、大抵にこやかで、機嫌はよさそうである。プクッとしていて血色はいい。声も、好き嫌いはかなりあるだろうが、張りのある力強い声である。作る曲も陰鬱な曲調なものはあまりない。間違いなくポップである。
にもかかわらず、彼が暗い人であるのは間違いない。別に、人と成りを詳しく知らなくても、曲を一聴すれば分かる。ばれる。

XTCのライブ活動の後期、彼はステージ上で他人の頭にパイナップルを載せ、ひたすら無意味に「パイナップルー!」と連呼していたそうだが、彼の陽気さとはそういう種類のものだろう。(結局XTCは83年を最後にライブ活動を凍結する)

このアルバムはその彼の陽気さが炸裂した89年の作品。怒涛の60分、15曲、一切捨て曲なし。ジャッケット通りとにかくカラフルで、アイデアにあふれていて、凝った音作りで、そして陽気。通して聴くと、とても60分とは思えない。ちょっとぐったりしてしまう。
全編ビートルズを意識した曲作りをしているが、[6]なんかタイトルからしてモロですな。
コリン・ムールディングの曲も相変わらず地味ながらいい。アンディー・パートリッジより彼の曲のほうが好きだという人も、意外と多いようだ。

個人的には(このページは全編個人的だけど)この作品、LPからCDプレイヤーのに乗り換えた頃買ったので、まだあんまりCDの方は持ってなくて、繰り返し繰り返し聴いた。それだけに思い入れもひとしお。
そして[2]はこの世にある曲ベスト3に入れてもいいくらい好きです。
(うらわ)

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Oranges & Lemons
"Oranges & Lemons" [FROM UK]

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XTC
"Apple Venus Vol.1"
Produced by Haydn Bendall & Nick Davis ('99)
All Songs Written except 5&8 by Andy Partridge
5&8 by Colin Moulding

1.River Of Orchids
2.I'd Like That
3.Easter Theatre
4.Knights In Shining Karma
5.Frivolous Tonight
6.Greenman
7.Your Dictionary
8.Fruit Nut
9.I Can't Own Her
10.Harvest Festival
11.The Last Balloon

以下はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ないと思います。たぶん。

登場人物紹介

博士:本名不詳。蕨にある中古レコード屋「博士堂」の主人。ロック・ファンにしてはかなりの高齢。学研の「ひみつシリーズ」に出てくる博士然とした容姿をしている。そのため色々知ってそうに思われているが、実際の音楽的知識は入社当時の井上貴子をわずかに超える程度。つまり児島由紀子よりかはかなり下。調子に乗って「私からしたら、中村とうようは洟垂れ小僧、星加ルミ子はおぼこ娘ですよ」などと言ってみたりするが、内心びくびくしている。それで済んでいるのは周りが中村とうよう等を知らないからである。
なお、博士堂は年中無休、昼2時から夜10時までを謳っているが、気まぐれで半日休、全日休をすることもあって実にいい加減。開いていても博士と言えば平日はネット・サーフィン、日曜はラジオの競馬中継にかまけていることがほとんど。

なっちゃん:本名・谷津夏代。博士堂でバイトをしている女の子。とりあえず、下の話には出てきません。
かなりまめまめしく働き、博士堂が何とか営業出来ているのも彼女のおかげと言える。中央大学に2時間近くかけて通学しており、近所の博士堂ぐらいでしかバイトが出来ない。バイト料は安いが、好きな時間好きな曜日に働けばすむし、レコードを格安で購入できるからまあいいか、割と冷静にと思っている。
ある程度博士堂の台所事情が分かっている彼女は、日頃から「こんな売り上げで立ち行くわけがない。博士には何か他の収入源があるに違いない」と睨んでいるが、博士は決して口を割らない。ないのかもしれない。

中坊:本名・中野慎二、博士堂の近所に住む高校1年生。中学3年生の時、あまりに期末テストがいやでいやで突然ロックに目覚める。ラジオでエア・チェックしまくったテープを持って突然博士堂に押し掛け、「曲名が分からないのでおしえてください!」とやや生真面目な感じで頼み、博士を大いに面食らわせた。
その時のテープの一曲、ジョン・レノンによる『ボニー・モロニー』を聴いた博士は「ああ、これは『モニー・モニー』だよ」と自信満々に答え、店内の他の客は皆、心の中で「オイ!」とつっこみを入れたのであった。
その時はロックの知識が全くなく、「なるほど、『モニー・モニー』ですか」などと素直にメモしていた彼も最近色々学習したらしく、うるさいことを言いつつある。「チューボウ」と言うあだ名は中学生時代、大人しか借りれないビデオを借りようとして、店員に「チューボウのくせに!」と言われているのをクラス・メートに目撃されついたあだ名。高校生になった今でもそう呼ばれている。自分から「中坊と呼んで下さい」と言ったりもするので、割と複雑な性格なのかもしれない。
なお、彼はなっちゃんに「こんな人に家庭教師してもらいたい」などと、ろくでもない思いを寄せているが、当のなっちゃんには「悪い子じゃないんだろうけど、ちょっと距離置こーっと」と割と冷静に思われている。


博士「おー、いらっしゃい、中坊君。この間買っていったXTCの『アップル・ヴィーナス』、どうだった?」
中坊「いやー、水滴の音から始まる一曲目のあの繊細な入り方、背筋がぞぞーってしましたよ」
博士「ちょっと『スカイラーキング』を思わせるような感じもあるが、繊細さ複雑さでは数段上を行っているよね」
中坊「『オレンジズ・アンド・レモンズ』の後、『ノン・サッチ』で滑らかな音へ嗜好が大きく傾きましたからね。ガス・ダッジョン起用して。もっともその時は『彼を使ったのはエルトン・ジョンを手がけたからではなく、ボンゾズを手がけたからだ』みたいなこと言ってたらしいですけど。でも、出てきた音はあの優雅さ。そしてそれを更に突き詰めたのが今回のアルバムですかね」
博士「うん。ほんとだね。
…でも、実は私は何度か聴いているうちにこのアルバムに物足りなさも感じてきてもいるんだ」
中坊「そう!実は僕もなんです。なんかゴリゴリ感が足りないというか、毒がないというか。ひたすらきれいなだけな気がして…」
博士「ほとんどファイン・アートの世界だわな。これは。ロックは、特にXTCは、もっと狂気じみたところがどっかないとなんだか物足りない…。
と、自分で振っといてなんだが、この間その考えがまた変わったのだよ」
中坊「え、というと?」
博士「XTC関連のホーム・ページで見かけたのだけど、このジャケの孔雀の羽、女性器の隠喩だという説がある」
中坊「えっっっっ !?」
博士「まあ、君くらいの年の子はその名前を聞いただけで、とても冷静には居られないだろうが」
中坊「………」(「あんななのか?」と頭の中で疑問が渦巻く)
博士「言われてみれば、なるほどという感じだね。国内盤CDは羽が横向きだが、一部輸入盤は縦向きだ。本来縦向きなんだろうが、レコード会社が気を使って横向きにしたのかもしれない。あくまで想像ではあるが」
中坊「でも、なんで…、それが…」
博士「完全に冷静さを失っているね。最近君は私以上にうるさいことを言うようになったのに。まあ、このアルバムは元々『アップル・ヴィーナス Vol.1』となっていて、これがアコースティック編、これから出るはずのVol.2はエレクトリック編と予告されている。
まあ、私の考えはこうだよ。このアルバムだけを聴くと確かに美しいが、まるで一幅の絵を美術館で見せられているようで、少々刺激に乏しく思う。しかし、ジャケから判断するに、これは単にファイン・アート的なものを目指したのではなく、女性的な滑らかで繊細な音楽を目指したんじゃないかな」
中坊「女性的なモノを」
博士「そう。だから今度出るはずのVol.2は完全に男性的なものになるはず。そもそもエレキ・ギターは男性器の隠喩でもあるからな」
中坊「それは感じます。やっぱジミー・ペイジが腰の位置までギター下げたのはそのせいですかね」
博士「しらない。ともかく、アコースティックな女性編、エレクトリックな男性編の雌雄セットになって、はじめてこのアルバムの本来の意味が見えるはずだ、と今は睨んでいる。だからこの極端なまでの滑らかさは単に毒が抜けただけでもなんでもない、と」
中坊(Vol.2のジャケのデザインについて色々言うが割愛)

(うらわ)

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The Zombies
"Odessey and Oracle"
Produced by Chris White/Rod Argent ('68)
All Songs except 5&8 Written
by Andy Patridge
5&8 by Colin Moulding

1.Care of Cell 44
(独房44
2.A Rose For Emily
(エミリーにバラを)
3.Maybe After He's Gone
(彼去りし後は)
4.Beechwood Park
5.Brief Candles
(ローソクの様に)
6.Hung Up On A Dream
(夢やぶれて)
7.Changes
(変革)
8.I Want Her She Wants Me
(私と彼女は)
9.This Will Be Our Year
(今日からスタート)
10.Butcher's Tale (Western Front 1914)
11.Friends of Mine
12.Time Of The Season
(二人のシーズン)

CD Bonus Tracks
13.She Loves The Way They Love Her
(彼女はみんなの愛し方が好き)
14.Smokey Day
15.If It Don't Work Out
16.I Know She Will
17.Don't Cry For Me
18.Walking In The Sun

関連項目
Colin Blunstone "One Year"

邦題『二人のシーズン』。68年のアルバム。いわゆる「サージェント・シンドローム」の影響下で作られたアルバムですね。その手の話題では必ず挙げらる作品です。

実際、ジャケからしてそれっぽい。しかし、結構どぎついサイケ風にも見えるし、「ゾンビーズ」という名前もあいまって手を出すのをためらっている人も多いのではないのでしょうか。ぼくはそうでした。

えー、僕が入っていたビートルズのサークルは年に何回かライブをやっていて、そういう時期はキャンパス内に「出店」を出していました。中庭とか、適当な場所に机と椅子を用意して、チケットを並べて売るわけですな。(今でも多分やってるんじゃないかな)
まあ、そんな事したって大して売れるわけもないのですが、言ってみれば雰囲気作りですね。ライブやるぞー、という。

そういう風に「ビートルズ」の立て看板立てて、座っているとたまに話し掛けてくる人もいる。ビートルズ好きな外人の留学生とか。相手してたら挙句宗教の勧誘されたりとかね。(僕が相手してたわけではないですが)

そして、これも僕が直接応対したわけではないけど、「ブリティッシュ・ビート研究会」の人が話し掛けてきた時があった。「ブリティッシュ・ビート」とつくからにはビートルズのサークルと交流があってもよさそうなものだけど、全然なかった。それだけではなく、個人的には「音楽に博学そうな硬派な人達」という、そこはかとないコンプレックスを感じていました。こっちはビートルズばっかりという事で。

その「硬派」な彼が、「僕達もポップなものではゾンビーズとかもやってます」と語っていたそうだ。その発言に僕は二つの感想を持ちました。

1.やはり彼らは硬派だ。そもそもゾンビーズって誰だ? 名前は聞いたことあるけど、どんな奴らか全然知らんぞ。それを称して「ポップ」とは。
2.(素朴に) ゾンビーズってポップなのか?
以上二つです。

ものは試しで聴いたみると、確かにポップだ。このアルバムに関して言えば、かなりもろビートルズしてます。それも中期のポール系です。すごい高品質だとは思うのだけで、あまりにそのまんまでやや苦言を呈したくなるきらいもある。
元々の彼らの持ち味は、たとえばコリン・ブランストンのややハスキーな声であり、微妙に黒っぽいフィーリングであったりするのだろうが、そういう意味ではこのアルバムはあまり持ち味が出てないのではないのでしょうか。
ただ、代表曲の[12]は全開ですな。すごくエッチな感じで好きです。薄暗い照明の中、ミラー・ボールをきらきらさせながら演奏してもらいたい。

このアルバムの録音の最中からバンドは解体状態にあって、[12]がアメリカで火がついた頃には、バンドは既に存在せず、結果、「ゾンビーズ」と名乗る偽バンドが複数現れたらしい。
関西地区には一時期「阪急の福本です」と名乗ってただ酒を飲む偽者がいたそうだけど、顔を覚えられているような、覚えられていないような、微妙な線だったのでしょうね。(うらわ)

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Odessey and Oracle
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