Album Review "S"#2
アルバム・レビュー"S"その2



The Scaffold
"Sold Out"
Produced by Mike McGear & John Megginson/Paul McCartney ('75)
1 Written by Dominic Behan
2,8&9 by Roger McGoough/Mike McGear
3&10 by Trad Arranged by Scaffold
4 by Fisher
5 by Roger McGoough
6 by Roger McGoough
/Mike McGear/John Gorman
7 by Kennedy
11 by Harvey
12 by Carter

1.Liverpool Lou
2.Potato Clock
3.Mingulay Boating Song
4.Ramsbottom
5.Beilins Boneyard
6.Liverpool Girls
7.Cokey Cokey

8.Pack of Cards
9.Mummy Won't Be Home For Christmas
10.Leaving of Liverpool
11.Julery Shop Lesley
12.Lord of the Dance

Michael McGear "Woman"
Scaffold "The Scaffold at Abbey Road..."

75年のラスト・アルバム。(今後新譜が出なければ)
そして、音楽で全編占められた唯一のアルバムでもある。

僕は通販とか注文でレコードを買うのがあまり好きではない。探しているアルバムがレコード屋さんで見つかれば、それが最高だ。もしくは思ってもいないものが見つかるのも良い。
それに比べて通販とか注文というのはわざとらしい。買えて当たり前である。レコード屋さんでの出会いがいわゆる恋愛だとすると、通販は風俗店のようなものだ。(というのは完全に言い過ぎですね。いきおいです、すいません)

いわゆるコレクターではないので、通販リストというものを割と最近まで見たことがなかったのだが、たまたま見せてもらって興奮した。(これも少し風俗店っぽい)
欲しいと思っていたものがどしどし載っている。夢のようである。素晴らしい。欲しい。でも、少し高い。しかし、ずっと見ていると金銭感覚が麻痺してくる。中古CDだと1700円でも「高い」と思うのに、12800円とか、18000円とか、9800円とかずっと見ていると、5800円とかでも「結構安い」と思ってしまう。

そして、買ってしまいました、左のアルバム、勢いで。なかなかきれいだし、まあ、いいんだけど。だが不思議な事に、買うと見つかるんだよねえ、いろんなレコード屋さんで。

参加ミュージシャンはズート・マネー、デイヴ・リチャ―ズ、アンディー・ロバーツ、ゲリ―・コンウェイ、オリー・ハルソールら完全なグリムス人脈。変わったところではロル・クリームがギズモの演奏で参加している。ということは下の"Singles As & Bs"の項で書いた「10ccのうちの二人」というのはゴドレー&クレームだったりするのか?

さて、内容の方だが、スキャッフォルド節全開。ゲージュツっぽさ余りありません。どちらかというと初期のコミック・ソング路線再び、という感じ。([6]は69年の"Liver Birds"の再演)
ポール・プロデュースのヒット曲[1]で幕を上げ、A面はひたすらだらだらと楽しそうに歌ってます。B面はロジャー・マッゴウの詩から導かれ、ちょっとしっとりとした仕上がり。
特に飛びぬけた楽曲というのはないが、全体の手触りは柔らかくて好きです。あえて言えば、ボンゾズを連想させるオールド・ファッションの[4]、なんかやけくそ気味な[7]、マイクが丁寧に歌う[9]辺りが好きです。

まあ、元々マイクやスキャッフォルドを聴き出したのは、ポールの弟ということや、ボンゾズ〜グリムスの流れだったりするのですが、今ではマイクの声そのものにかなり愛着を感じる。これは成り行きでジョージを聴きつづけるうちに何となく情が移ってしまったのに近い。こういうのが正しい音楽の聴き方かどうかは知りませんが、(多分あんまり正しくないでしょうな)彼らの声を聴くと非常に安心します。
(うらわ)

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The Scaffold
"Singles As & Bs"
Produced by George Martin/John Burgess/Tony Palmer/Norrie Parmor
/Tim Rice/Simon Napier-Bell/Paul McCartney/Brian Gascoigne & Howard Blake/Mike McGear ('82)
1,9,12 Written by Roger McGoough
/Mike McGear/John Gorman
2,4,7,8,10,13,15,16.17,21&22 by Roger McGoough/Mike McGear
3,5.19 by Mike McGear
6 Trad Arranged by Roger McGoough
/Mike McGear/John Gorman
11 by Dominic Behan
14 Trad Arragnged by John Gorman
18 by Howard Black
20 Paul McCartney/Linda McCartney

1.2 Day's Monday
2.Goodbat Nightman
3.Thank U Very Much
4.Do You Remember?
5.1 2 3
6.Lily The Pink
7.Charity Bubbles
8.Gin Gan Goolie
9.Liver Birds
10.Busdreams
11.Liverpool Lou

12.3 Blind Jellyfish
13.Ide B. The First
14.Carry On Krow
15.Today
16.Buttons Of Your Mind
17.Goose
18.All The Way Up
19.Please Sorry
20.Ten Years After On Strawberry Jam
21.Commercial Break
22.Do The Albert

関連項目:
Scaffold "The Scaffold at Abbey Road..."

82年に出たベスト。CD化はされていないが、中古で手ごろな値段で買う事が出来る。『アット・アビ−・ロード』とかなりの曲が重なっているが、EMI時代だけでなく、ワーナーに移ってからの曲も収録されているのがミソ。単なるベスト盤としてはこっちの方がお徳です。

例によってマイクの回想録が裏ジャケについているので、それをまじえて注目部分を見ていくと、
[11]は全英ベスト10ヒットを記録した74年の曲。プロデュースはポール。リンダ、デニー・レイン、ジミ−・マッカロクも参加していていて、ドラムはゲリ−・コンウェイ。なんの事はない『マクギア』のセッションの時に録音されたものだ。得意のリヴァプール賛歌で、なんでこれが大ヒットするのかは、正直よく分からないところもある。『夢の旅人』が『シー・ラブズ・ユー』を超える大ヒットというのもいまいち分からないが、それと根は同じような気だする。所詮は日本人とイギリス人は違うのである。特にご当地ソングというのは分かりにくい。
この曲にはポールのコメントもついている。「僕が弟に初めて会ったのとても幼い頃だ」 なんのこっちゃ。ブリティッシュ・ジョークっ。

[19]にはジミ・ヘンドリクス、ジョン・メイオール、エルトン・ジョン、ミック・ジャガー、マリアンヌ・フェイスフル、キース・ムーン、ジョン・レノンらが参加したがっていた曲。(ヘーイ、ブリティッシュ・ジョークっ)

[18]はマイクの得意技の一つ、ディラン風のボーカルが聴ける。[22]のB面として発売された曲で、このアルバムならではの曲としては、これがベスト・トラックかな。

[20]は[11]のB面でポール&リンダの作という事になっているが、ほとんど雑談しているだけ。マイクによると10ccの二人(どっちの二人かはよく分からない)も一緒にしゃべっている? どこまで本気なのか冗談なのか全然分かりません。(うらわ)

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Sean Lennon
"Into The Sun"
Produced by Yuka Honda ('98)
All Songs except 3,7&10 Written
by Sean Lennon
4&8 by Sean Lennon/Yuka Honda
6 by Sean Lennon/Timo Ellis

1.Mystery Juice
2.Into the Sun
3.Home
4.Bathtub
5.One Night
6.Spaceship
7.Photosynthesis
8.Queue
9.Two Fine Lovers
10.Part One Of The Cowboy Trilogy
11.Wasted
12.Breeze
13.Sean's Theme

関連項目:
Cibo Matto "Stereo Type A"

オノ・ヨーコと「IMA」の一員として来日を果たしたり、音楽の道を歩むことが明らかだったので、ショーン・レノンがデビュー、と聞いても「まあ、そうだろうね」という感じだったのですが、「グランド・ロイヤルからデビュー? ああ、なるほどね」と増々納得、みたいな。何となく音の察しがついたので、ずっと聴いてなかったです。

本人も認めているとおり、「グランド・ロイヤルから出した」ということは一種のアナウンスであり、表明ですよね。「このアルバムにジョン・レノン的なものを求めても無駄である」という。はっきり言って、上手いことやったなあ、と思いました。ジュリアンの轍を踏まない最高の方法かも。ショーン君からしたら、こんなページで取り上げられること自体、不本意なんではないでしょうか。

グランド・ロイヤルについて語るのは、このページの文脈上かなり難しいし、僕も語るのに相応しい人間ではないのだけど、さらっとだけ。
グランド・ロイヤルはビースティー・ボーイズが主宰するレーベル。「グランド・ロイヤルの音」っていうのはグランジ後の感覚として確かにあるのだけど、スタイルと言うより感覚的なものなのでなかなか言語化が難しい。僕なりに乱暴に表現すれば、「原始的な音」。サンプリングも当然多用するし、テクノロジカルな意味で原始的なわけではないのだけど、「サンプリングした音」も「ドラムをガシガシ叩く音」も「(さっき弾き方を覚えた)アコギの音」も同列に扱うような感覚。ある意味非常に素朴に「面白い音なら何でもいい」みたいな。

どうしてこういう音、感覚が出てきたのかは色々な流れがあるのだろうけど、なんとなくカート・コバーンあたりが「いいドラマーの条件はとにかく音がラウドであること」と断言した頃から「原始的な音」が発生し始めたような気がする。で、ベック、ジョン・スペンサー、ビースティーなんてのは、やってるスタイルは全然違うけど、共通したセンスがどっかにあると思うのだ。
それらがこれからどういう風に変化していくのかは知らないけど、例えばビートルズやツェッペリン、フロイド、ピストルズ、そういった先人達が作った「音の文法」を一度ご破算にして、目の前に並んだ楽器、機材でもう一度素朴に音を出していく。時にメロディアスに、時に破壊的に、時に思ったよりも温故知新的に。

で、そういった流れにのってショーンはアルバムを出したわけで、まあ、僕が聴くような音ではないとは思ってたのですが、たまには「うわー、近頃の若いモンの音は尖ってるのー。おじさんには全然分からない。でも、少し分かるかも」みたいな思いをしたくてこのアルバムを買ってみました。

だけど、ちょっと「ん?」という感じ。時にボサノバチックに、時にラウドに、まあ、この力抜けまくりの音がグランド・ロイヤルの音と親和性があるのは分かるけど、「こんなもんなのか」と正直思ってしまいました。「もっと脱力してもいいかも」あるいは「もっとゴリゴリやってもらってOKかも」みたいな。なんか中途半端? もっとぶっちゃげて言っちゃえば、クオリティーの問題? あるいはショーンのボーカルのチャームの問題?
上で書いたような「グランド・ロイヤル的な音」というのはかなり感覚的なもので、そういう音が出せる人は出せるし、出せない人は出せない。「原始的な音」というのは一歩間違えれば学芸会だから。

そんな中、表題曲のボサノバ、[2]だけが非常に非常に素晴らしいのは、本田ゆかのボーカルのせいか? この曲だけがショーンが目指した「良きヴァイブ」出まくりだ。この一曲で、私的には投資分OKです。

こういう比較は本人達に失礼だけど、兄ジュリアンが父親のスタイルを踏襲して非常に完成度の高いファーストを出したのと対照的に、正直、まだ海のものとも山のものともつかないアルバムと思います。個人的には本田ゆかの方が気になります (^^;) 。(うらわ)

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Into The Sun
"Into The Sun"

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