| 僕は「ゴレンジャー」の中ではミドレンジャーを応援してしまうような子供だったので、当然「御三家」の中では野口五郎を応援していました(その性格が後にジョージのソロ・アルバムを集めるような嗜好性へと発展したのかも)。何回か出演を逃した後の「紅白」復帰時も、客席の横断幕「おかえり!五郎!野口五郎FC」を見るにつけ、「ほんと、お帰りなさい…、五郎」と胸をきゅんとさせていたような気もする。
「カックラキン大放送」も当然、西城秀樹のシリーズよりも、郷ひろみのシリーズよりも、野口五郎のシリーズの方がお気に入りだった。これは今思いだしても、彼のコントの間の取り方が一番面白かったような気がする。
まあ、そんな子供時代も終わり、今や野口五郎がどうなろうと基本的には知ったこっちゃないと思って生活してるが、先日友人のO君から凄い報告を受けた。なんと、野口五郎がアルバムで、「ハイ・ハイ・ハイ」をカバーしているというのだ。しかも「オー!
ダーリン」も演ってるというのだ。しかも日本語で !!
これは聴かなければ !!
で、銀座ハンターでLPが100円で売られているのを発見。題して『GORO IN ROCK / 野口五郎ロックの世界』である。
これはA面は当時の欧米のヒット曲を五郎がカバー。B面はオリジナル曲という、トッド・ラングレン『フェイスフル』ライクな構成になっています(笑)。
細かい選曲までは聞かされていなかったが、すごいなあ。一曲目からカーリー・サイモン「うつろな愛」だもんなあ。基本的にあのベースから入るアレンジだが、なんか違うぞ〜、既に(笑)。なんか舶来の歌に聞こえない。結構ソウルフル且つ力強い原曲に比べ、泣きの五郎節がいきなり全開だ。
[2]の例のシンセ・ベースのリフをギターで代用してるのだが、弾いてるミュージシャン、てめえ、絶対日本人だろ! しかも譜面もらってとりあえず弾いてるだけだろ!
って、本当はどうだか知らないけど、いかにも当時のスタジオ・ミュージシャン的な演奏でファンキーさのかけらもないです。
そして、五郎のノリにもここら辺で少し心配になる、[1]同様淡々とした歌い回しなのである。おい、五郎、この曲はさすがにもっと熱く歌うべきではないか?
なのに、なんだその余裕あり過ぎなゆったりしたボーカルは。もしかしてこの企画自体に乗り気じゃないのか?
外野の心配をよそに、いよいよ問題の「ハイ・ハイ・ハイ」に突入。似てるようで全然違うギターのイントロが気持ち悪いなあ(笑)。
そして、五郎の歌い出しは、「♪ん〜、悪っ魔がいっきなりこのむっねに飛び込んだ〜」で始まる。 (^^;) (^^;) (^^;)
「♪それが、ハ〜イ、ハ〜イ、ハ〜イ、お前だっよ」と言われても…。
(^^;) ……。まあ、こういうのを期待して買ったんですけどね。五郎は相変わらずマイ・ペースで歌い続ける。「テンション」とか「勢い」、「気合い」とは無縁の世界である。冒頭の歌詞察しがつくとおり、原詞とはなんら違う歌世界が展開していきます。これはまあ、杉山正美さんが精魂込めて作った歌詞なわけですが…。確かに直訳しちゃって、「オレのバナナを云々」とするのも問題ありますしねえ。
続く、「オー! ダーリン」は基本的に彼が得意とする泣き節、捨てないでソングなわけで、「♪オ〜、ダ〜リン、眠れぇは、しぃないよ、とても」なわけで、一応曲と彼の歌世界に接点があるような気はする。まあ、荒っぽさはやはり全くなく、ひたすら哀願する男という感じですが。いかにも歌謡曲女性コーラス隊もそれなりにはまってる?かも。
さて、続く[5]だけは妙に演奏が気合い入っていて、結構ロックっぽいです。まあ、原曲のクレイジーさは、やはりないですが(これも冷静な五郎のボーカルのせい?)。
[6]は、こんなもんでいいんじゃないですか?取りあえず、という感じの出来。でも、この歌さえも、五郎に歌われるとかなり哀しい振られ男の歌になっちゃうんだよなあ。
追記その1。どうせビートルズ系をカバーするなら同じ泣き節系のジョージをカバーすればはまったのになあ、などと思う。73年なら"Try
Some Buy Some"辺りいかがだろうか。時期は違うけど、五郎がカバーする「ギターは泣いている」なんてのも、すごく聴きたい〜。
追記その2。上のクレジット・曲名は基本的にアルバムに記載されていたとおりに書いたのだが、"Carly Saimon"ではなく、"Carly
Simon"の気がしてならない。あと、"Poal MacCartony"ではなく、"Paul
McCartney"の気がしてならない。あと、細かいが、"HI-HI-HI"ではなく、"Hi.Hi.Hi"の気がしてならない(大文字小文字はともかく、「-」が気になる)。"Oh
Darling"も"Oh! Darling"な気がしてならない。"Crazy Horse"も"Crazy
Horses"な気がしてならない。
追記その3。ちなみにB面の曲を聴いたら、「あんたやっぱりオリジナル曲歌ってた方が100倍いいよ〜」と感じました。やはり五郎用に用意された曲の方が、キー的にも曲調的にも合っていて、本人も全然生き生き歌っているような気がする。
追記その5。このアルバムが出た73年、彼は『GORO ON STAGE 2 / 野口五郎故郷に帰る』というライヴ・アルバムを出しているが、そこでは「クライジー・ラヴ」や山田耕筰の「赤トンボ」などを取り上げたりしている。そんなことと考え合わせてみると、このアルバムの「海外ヒット曲を日本語で歌う」という企画は、平尾昌章が50年代に築いた路線を70年代的に展開しようとしたのかもしれない。
追記その6。最近正式にGOROと改名した彼だが、アルバム・タイトル等ではデビュー間もない72年からGOROの表記を使用しています。(うらわ) |