| このCDを見つけたときは結構衝撃だった。おいおい、マイク・ギブンスのソロ・アルバムかよ、と。リリース年も97年と割と最近で驚く。
マイク・ギブンスと言われてもピンと来ない人のために一応断っておくと、バッドフィンガーのドラマーだった人。4人並んだ写真で一人だけすごく小さい人がいるが、それが彼。小ささを補うためか、写真では一番手前に写っていることが多いような気がする。遠近法というやつですな。逆に一番でかいピート・ハムは大抵後方に立っている。
はっきり言って、一番手前に立っていてもかなり地味な印象の人である。なんとなく、しゃべっている姿すら想像できない人である。
ロックというのは、基本的にカッコよさを競う芸術ジャンルなんではないかと常々思っているので、そういう意味でマイク・ギブンスはかなりつらい。
ゆえに、「おいおい、マイク・ギブンスのソロ・アルバムかよ」と驚くと同時に「おいおい、これって買うべきなのかよ?」と自問してしまった。ピートとトムのそれぞれの未発表曲集も、ジョーイのソロも買った身としては、かなり厳しい選択を迫られた。迫らないでよ、そんなこと。
値段も高かった。比較的最近のCDにも関わらず、一般的な価格より千円は高かったと記憶している。だが、逆にその事実に、「国内にほとんど入ってきてないのか?」という思いをあおられた。「国内にあんまり入っていない>今後も入らない>次にこの店に来た時にはもう誰かが買ってしまっていて、泣く」という論法で、結局買いました。
でも、次にその店に行ったときには、ちゃんともう一枚並んでいました。騙されてんじゃないの>おれ。
とっくに音楽業界から身を引いたと思っていたマイクだが、スリーヴによると、過去40年以上音楽活動を続けているとある。最近はフロリダ在住とのこと。
さて、このアルバム、マイクとリック・ワージンというおじさん二人組で作ったアルバムのようで、プロデュースもマイク。
一曲目、軽快なロックン・ロールで幕を開け(笑)、思わず不安になる。歌うのはなんとマイク本人。元巨人軍ウォーレン・クロマティーのデビュー曲『ガール・ライク・ユー』もこんな曲調だったんじゃないか。よく覚えてはいないが。
つづく[2]、今度はメローな展開(笑)。わかりやすい。しかし、クロマティーとは違う微妙な何かを感じた。そして思ってしまった「結構、バッドフィンガーっぽいじゃん」。
[4]なんてアイヴィーズの頃のトムが書きそうな曲だし、[6]なんて『ノー・ダイス』に入っていても違和感なさそうである。[11]はピートへのオマージュだろうか。スライド・ギターをバックに、ややこぶしが回ってます。思えば、バッドフィンガー時代に残した彼の曲だって、数こそ少ないけど、決して駄曲ではないんだよね。他にソング・ライターだ3人もいたので忘れがちだが。(どっかのバンドとよく似てるね)
公平に見て、そんなに悪いアルバムではないと思います。少なくとも、他のメンバーのソロを買ってしまったような人が大きく失望することはないんじゃないかな。彼があと20センチ背が高ければ、もっと強く薦めるのだが。(うらわ) |