| 「ビートルズの覆面バンドではないか」噂のあったクラトゥー。今聴いてみると「何でやねん」という気もしなくもない。詳しくはリンク集に掲載したオフィシャル・ページに事細かに書いてあるので、そちらを参照してもらいたいが、噂の内容と原因は大体以下の通りらしい。
<主な原因>
・ まず、曲調、アレンジがビートルズっぽい。
・ [1]と[4]のボーカルがポールに似ている。
・ アルバムには、メンバーの名前、写真等が一切載せられてなかった。その他のクレジットも伏せられていた。
・ キャピタルから発売されていた。
・ 7の歌詞に、「ポール死亡説」と符合するような内容があった。等々。
<主な噂の内容>
・ 『リボルバー』のあと、ビートルズはニュー・アルバムを録音したが、テープが紛失してしまった。その頃ポールが交通事故で死亡。まあ、有名なポール死亡説という奴ですね。後の経緯はアホらしいので省略。
・ ところが75年になって失われたテープが発見され、ポールへの追悼という意味でリリースされた。それがこの作品。
全くアホらしくて、話にならんが、以上の噂がラジオで曲が流されたり、誤った新聞記事が出たことををきっかけに流れたらしい。そして、更なる真相はレコード会社が宣伝のために噂を利用したらしいということ。メンバーからしたら迷惑な話だったんではないか。
ところで、「失われたテープ」というモチーフはビートルズ・ストーリーに繰り返し出てくるね。『ウォッチング・レインボウ』とかね。ポール自身そういうネタで、『ヤァ!ブロード・ストリート』を撮ってるし。何か原型になる話があったのではと、ロマンを感じなくもない。まあ、ポール自身がそういう噂話を聞いてヒントにした可能性もあるけど。
さて、クラトゥーのメンバーにはちゃんと名前がある。ジョン・ウォロシャク、テリー・ドレイパー、デビッド・ロングの3名。デビット・ロングは後にジョージ・マーティンのAIRスタジオで働いていた事もあるそうです。確かにルックスは弱いので、レコード会社も写真載せたくなかったのかもしれない。
[1]は噂通りにビートルズっぽいが、そもそも66年とか67年の音ではないよね。ちゃんとこのアルバムがリリースされた76年の音だ。カーペンターズもカバーした名曲。
[4]はエミット・ローズやパイロットを思わせる正統ポール的なポップな曲。なかなかよいですね。
[2]とか[5]とかは後のアルバムで顕著になるパワー・ポップ的展開。[7]はボードビル調の曲で、確かに中期ビートルズっぽい。しかしこれでビートルズと言われるんなら、ムーヴもビートルズだね。
ところで、このジャケット(細かいことを言えば、これは下の"SPECIAL DOUBLE PLAY"の印刷から分かるように、セカンドとの2in1CD仕様のジャケです)、ティアーズ・フォー・フィアーズの『シード・オブ・ラブ』は、完全にこれを意識してると思うのですが。(うらわ) |