Album Review "J"
アルバム・レビュー"J"



Jeff Lynne
"Armchair Theatre"
Produced by Jeff Lynne ('90)
All Songs expect 5.9&10 Written by Jeff Lynne
5 by Maxwell Anderson/Kurt Weill
9 by Ted Koehler/Harold Arlen
10 by Jeff Lynne/Tom Petty

1.Every Little Thing
2.Don't Let Go
3.Lift Me Up
4.Nobody Home
5.September Song
6.Now You're Gone
7.Don't Say Goodbye
8.What Would it Take
9.Stormy Weather
10.Blown Away
11.Save Me Now

関連項目
George Harrison "Cloud Nine"

Paul McCatney "Flaming Pie"
Tom Petty "Full Moon Fever"

90年の作品。「あの」ジェフ・リンの初ソロとあって、さぞ豪華絢爛、化学調味料ぶっちこみでかつ大量の砂糖を使った作品だろうと思いきや、非常にリラックスした気負いのない作品になっています。
逆にここまでリラックスされると、こっちが落ち着かない気がする。おっさん狙いは何? なんか企んでるの?と勘ぐりたくなる。普通こういう作品は7枚目とか8枚目で出すもんだろう。

まあ、考えてみるとおっさんキャリア長いし、ELOとしてヒット・チャートも一度は制覇したし、人の作品で「必殺・ジェフ・リン・スタイル」も確立したし、「箸休め」としてこんな作品も作りたくなったのかな。

『クラウド・ナイン』〜ウィルベリーズ以来の付き合いでジョージがあちこち顔を出している。[1](ビートルズのとは同名異曲)、[3]でコーラスとギター、[5]と[9]ではギターを担当している。その他でもコーラスであちこち顔を出してるみたい。つまりジェフ・アンド・ジョージのアルバムなのです。

おっさんの趣味は過去の自分のアイドル達、しかもちょっとしょぼくれちゃってるアイドル達を自分の力で蘇生させ、(あるいは蘇生したと見せ掛けて)世に再び出すということですが、この時期の彼の一番のおもちゃはジョージだったわけです。リンゴとかでも遊んでましたが。

しかし、狙っていたかどうかはともかく、それが恐らく彼の最終目標であった「ビートルズそのもので遊ぶ」を実現させる事になったのです。
その後、おまけとして「ポール・マッカートニーで遊ぶ」ことまでしてしまった。さすがに「ポールで遊ぶ」とこまでは行かなくて、「ポールと遊ぶ」という感じになったが。おっさんこの時はかなり必死だったと見た。

話はそれたがこの作品、『クラウド・ナイン』の兄弟アルバムとして、ジョージ・ファンなら一応聴いてみてもいいのでは。(うらわ)

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Jellyfish
"Bellybutton"
Produced by Albhy Galuten ('91)
1,2,3,5,7,8,10,13&15 Written
by Andy Sturmer/Roger Manning
4,6,9&16 by Andy Sturmer
11 by Pete Ham
12(Let'em In) by Paul McCartney
14 by Paul McCartney/Linda McCartney

1.The Man I Used to Be
2.That Is Why
3.The King Is Half-Undressed
4.I Wanna Stay Home
5.She Still Loves Him
6.All I Want Is Everything
7.Now She Knows She's Wrong
8.Bedspring Kiss
9.Baby's Coming Back
10.Calling Sarah

CD Bonus Tracks
11.No Matter What
12.Let'em In / That Is Why
13.The King Is Half-Undressed
14.Jet
15.Now She Knows She's Wrong
16.Baby's Coming Back

関連項目
Beatnik Beatch "Beatnik Beatch"

"Bellybutton"の輸入盤の箱

やっとジェリーフィッシュ。僕が愛してやまない3大バンドの一つです。
こいつは90年発表のファースト。

しかし、初めて聞いた印象は意外とぱっとしなかった。「90年代のビートルズ」みたいなコピーの広告を見て、まだ駅から遠かった頃の池袋のタワーレコードで買った。多分、XTCにはまっていた頃だったので、「その手のバンド」と判断して買ったんだと思う。
実際、「その手のバンド」だったんだけど、なんか地味、と思ってた。ドラマーがいまいち、とかね。

それが、XTC以上にすんばらしいバンドだと気づくのはセカンドの『こぼれたミルクに泣かないで』を聴いてからなのだが、改めて聴いてみると、このファーストもやっぱいいっすよ。
この時点でのメンバーは、アンディー・スターマー(ドラム)、ロジャー・マニング(キーボード)、ジェイソン・フォークナー(ギター)、クリス・マニング(何やってたか不明。多分何もやってない)。

一番好きなのはメロウな[4]かな。Bメロがいいっす。ワム!かチープ・トリックすれすれの超ポップな[9]もいい。[10]なんかはコーラスやギターの使い方とかかなりビートルズっぽい。

ちょっとフレディー・マキュリーっぽいアンディー・スターマーのボーカルは好みの分かれるところだろうけど、僕は好き。特にライブでの彼はボーカルもルックスもかっちょいい。スタンディング・ドラムでバキンバキン叩きながら叫ぶ。シャウトするところではドラムも走る走る。しかし、それも含めてカッコよかった。ツアー・メンバーのエリック・ドーバーをいじめたりして、性格悪そうだったけど。

ライブといえば、[11]から[16]はライブの音源だが、バッドフィンガーの[11]を取り上げているところが泣ける。彼らに取り上げられるのは、ポップの殿堂入りと考えていいんじゃないですか。[12]や[14]の、ビートルズじゃなくてウィングスというセンスもいいよね。
そのほか日本公演ではムーヴの゛I Can Hear The Grass Grow"やピンクレディーの"SOS"とかをやっていた。スティックスやオリビア・ニュートンジョンもレパートリーだったらしい。

僕にとっては、「こんなバンドがあったらいいなあ」という願望をほぼ完璧に実現してくれたバンド。(うらわ)

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Bellybutton
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Jellyfish
"Spilt Milk"
Produced by Albhy Galuten, Jack Joseph Puig, Andy Sturmer & Roger Manning ('93)
All Song except 9 Written by Andy Sturmer/Roger Munning
9 by Andy Sturmer

1.Hush
(おやすみ)
2.Joining A Fan Club
(ファンクラブに入るなら)
3.Sebrina, Paste, and Plato
(セブリナとペーストとプラトンと)
4.New Mistake
5.The Glutton of Sympathy
(憐れみの王様)
6.The Ghost At Number One
(スーパースターに愛の手を)
7.Bye Bye Bye
8.All Is Forgiven
(優しく許して)
9.Russian Hill
10.He's My Best Friend
(彼は僕のともだち)
11.Too Much, Too Little, Too Late
(言葉にさよならを)
12.Brighter Day
(あしたがあるから)

関連項目
エリック・ドーバーのサイン入り"Spilt Milk"

このページを作るに当たってまず頭にあったバンドは、ボンゾ・ドッグ・バンド。そしてバッドフィンガー。もう一つはジェリーフィッシュ。
しかし、好きな女の子にはなかなか話し掛けられないように、バッドフィンガーを除く二つのレビューは遅々として進まない。特にジェリーフィッシュは作品数も少ないんだし、先に済まそうと思えばすぐなんだけど、なんかもったいなくて今日まで来た。
このアルバムを始めて聴いた時の興奮は未だに忘れられない。それはまさに至福だった。

邦題は『こぼれたミルクに泣かないで』。発売当時、市川哲史がロッキンオン誌上で年の半ばに「今年度のベスト・アルバム決定」というような事を書いていて、あれっと思った。前のアルバムは聴いていて、いいとは思っていたが、「ポップな物好き」の市川氏がそこまでいいと持ち上げるとは意外だった。近くのレンタルCDにすぐ入荷したのでさっそく借りた。

僕は家でじっくり音楽を聴くより、移動中にウォークマンで聴くほうが好きな人間なので、なんかCDを手に入れればまずカセットに録音する。しかしこの作業がジレンマで、録音するには何曲かの録音レベルを調べなくてはいけない。何曲かちょこちょこっと聴くので「はじめて聴く驚き」みたいなものは失われてしまう。かといって座ってステレオで聴くのも面倒くさいので録音したい...。あああ。
しかし、このアルバムに関して言えばそのジレンマを感じずに済んだ。何故なら1曲目をスタートさせた時から、録音の事を忘れて最後まで聴いてしまったから。"Bellybutton"

1曲目から非常に非常に美しいコーラスで始まる。クイーンへのオマージュといったところか。ほとんど曲間なく続く2曲目は一転してギター・ナンバー。3曲目は中期ビートルズにディズニー・サウンドを注入したようなプリティーな曲。この3曲を先の市川氏は「『ヴィーナス・アンド・マース』から『ロック・ショウ』、『ジェット』への連なりのよう」といった内容のことを書いていたと思う。

しかし大事な点は、様々なバンドへのオマージュも、全てそれらのバンドのクオリティーを越えてるということだ。
所詮美というものは相対的なものだから、アレンジ一つとっても選択肢は無限にあるだろうし、その中のどれを選ぶか迷いも生じるだろう。ある時は正しいものを選択できるだろうし、間違う事もあるかもしれない。
しかし、少なくともこのアルバムには作り手のそういった逡巡や苦悩は一切感じられない。全ての音が確信に満ちているし、全ての音があるべき場所に当然にように置かれている。(少なくとも僕にはそう聞こえる)
例えば、様々な音が重層的に配置された[10]なんか(これもクイーンを意識したタイトルだろうか)そのバランス感覚は、何度聴いても舌を巻く。
[7]なんかは、どうしてこのメロディーを誰も見つけられなかったんだろう?というような、シンプルで素晴らしいメロディーをいとも簡単に歌う。

あと、ファーストと全然演奏力が違うと思うのは僕だけでしょうか。ティム・スミスにベースが交代して、これも原因の一つかな。(ティム自身は「ただ、こう弾けといわれた通りにやっただけ」と語っているけど)
アンディーのボーカルもすごくそつなく、空回りしている部分がなくなった。
曲良し、アレンジ良し、ボーカル良し、コーラスも良し、演奏良し、ルックスもまあまあ良し。足りなかったのは友情だけか? トッド・ラングレンもアンディー・パートリッジも実現できなかった究極のアルバムを出して、バンドはあっさり解散してしまったのだった。

なんか想像通りいい文章書けなかったなあ。(うらわ)

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こぼれたミルクに泣かないで
"こぼれたミルクに泣かないで"

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