| ビートルズ系のミュージシャンっつたら、なんと言っても10ccはその筆頭という感じなのでしょうが、あんまり聴いてません。
と、思ったのだけど、つらつら考えると主だったアルバムは大体聴いていたりする。うーん、でもなんとなく僕の中で存在が希薄だぞ。なぜだ?
キャラも結構濃い目だと思うのだけど。離合集散が激しいせいか? でもそれほど激しいメンバー・チェンジもしてないな。
こんなことではいかんっ、つーか全然OKな気もするが、10ccを改めて聴いてみることにした。
と、丁度いいタイミングでこのアルバムが見つかった。っていうか、結構中古で見かけがちなアルバムなのだが、かなり安く売っていたので買ってみました。
10ccといえば、エリック・スチュアート&グレアム・グールドマンとケヴィン・ゴドレー&ロル・クレームの2組のアーティスト・チームで構成されているという感が強いが、10ccの前身バンド=ホットレッグスの70年発表のファースト、"Think
School Stinks"にはグレアム・グールドマンは参加していません。彼が名を連ねることになるのは、セカンドにあたる71年の"Songs"から。まあ、セカンドといってもこれは"Think
School Stinks"の曲を一部入れ替えただけのもの。で、本アルバムは"Think School
Stinks"と"Songs"を合体させたお買得盤。 (なんか10ccってこういう感じの編集盤多いですね)
クレジットなんか見ると、Creme /Godley /Stewartの共作曲がかなり入っている。これがアルバムを重ねるごとに段々きれいにGouldman
/StewartとCreme /Godleyに別れてゆき、そのうち本当に分裂してしまうわけですな。
ところで、2枚のアルバムの合体作ということで、収録時間が長くてびびりました。最初46分テープに録ろうとして入りきれず失敗。「ちっ」っつーことで余裕を持って54分テープで録ってまたB面が入りきらず失敗。「ええっ!?」っということで64分テープを使ったらやっと入りました。しかしそれでも結構ぎりぎりです。こんなに収録時間の長いLPって"John
Lennon Collection"以来記憶にないなあ。っていうか、今時テープに録ってる場合じゃないですか?
それはともかく、曲目を見ると、ファースト"Think School Stinks"からが[1][4][5][7][8][9][10][12][13]、残りがセカンド"Songs"からということになりましょうか(セカンドの曲目は未確認です)。
1曲目から結構激しい且つ意外と黒っぽい且つそうは言っても複雑なアレンジと変なコーラスは、やはり10ccバリバリでなかなかよろしいのではないのでしょうか。黒っぽいといえば[11]辺りも相当かっこいいですな。
真っ当なきれいなメロディーを聴かせるのは[2][4][8][10]。ここらはポール+ジョージ・マーティンの正統的嫡子という感じです。
で、やはり本作の聴き所というか、スタジオ・ミュージシャンだったホットレッグスが世に出るきっかけになった[7]。多分「平和を我等に」が元ネタになっているとは思うのですが、かなりねじれていますなあ。なんかうれしくなります。10cc時代の過剰なまでのねじれでないところがミソでしょうか。「適度にかなりな」ねじれなのですよね。
もう一つの山場は組曲である[13]で、ゴドレー&クレームはすでにこういう大作というかサントラッチックというか構築主義的美というか、そういう世界に暴走しているのは微笑ましいですな。独特なコーラスはこの曲でも既にかなり見受けられて、まあ、最初からこういう人達だったのですね。元を辿れば『アビー・ロード』なんかに影響を受けているのでしょうが、逆に『レッド・ローズ・スピード・ウェイ』に影響を与えてたりして、なんて思います。
ところで、この全然少しも全く買う気をそそらないジャケはゴドレー&クレームが描いたそうです。うーん、ジャケ的には相当欲しくない。意外なことに絵の才能はあんまりなかったのですか?
(うらわ) |