| ジョージについて書いてみようと思う。
大学時代、僕は割とジョージ・ファンとして認知されていたと思う。ビートルズのサークルに入っていたけど、ジョージのソロ・アルバムを大体持っているという人はあまりいなかったから。当時CDなんか出ていなかったし、LPもほぼ廃盤状態だった。なのに、わざわざ集めたのには訳がある。
他の項でも書いたが、僕の姉は気がついたときには、ビートルズのオリジナル・アルバムは全部持っていた。ソロも、ポールとジョンについては主なアルバムはあった。
色々聴けて、便利は便利だけど、だんだん自分のアルバムも欲しくなる。自分が開拓した新たなビートルズのアルバム。そうなると選択肢はジョージかリンゴとなる。当然、ジョージを選んだ。(今思えば、リンゴを選んだとしてもそれなりに楽しかったかもしれない。でも、その頃僕はティーン・エイジャーで、ティーン・エイジャーにリンゴを選ぶのは無理だった)
当時、『クラウド・ナイン』が発売されて、ジョージ周辺は盛り上がっていた。僕もこのアルバムはすごく気に入って、本当に良く聴いた。多分一番多く聴いたアルバムの一つだろう。
このアルバムは、今思えばジェフ・リンの色がヒッジョーに強いんだが、当時は「ジョージもいいじゃん」と素直に思ってた。東芝EMIから出ていたカタログにジョージの他のアルバムが紹介されていて、どんな音なのだろうと夢想した。
姉貴に「ジョージのアルバムを買おうと思う」と言ったら、余りいい顔されず、よけいムキになったのもあるかもしれない。元々僕はゴレンジャーでもミドレンジャーを応援してしまうようなところがあったし。みんなに見向きもされないジョージのアルバムでも、一枚に一曲くらいはいい曲があるはずである。それをを集めて、誰も知らない至高のベスト・テープを作ろうと、高校生の僕は決心したのである。
当時、西新宿のレコード屋街というのは全然知らなくて、普通のレコード屋ばかり廻っていた。せいぜい池袋西武の輸入盤コーナーとか(当時はWAVEと言う名前ではなかったと思う)、神保町のササキ・レコードくらいである。それでも『オール・シングス・マスト・パス』、『リビング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』、『ダーク・ホース』、『33&1/3』『慈愛の輝き』、『サムウェア・イン・イングランド』、『ゴーン・トロッポ』は揃えた。
でも『ジョージ・ハリソン帝国』(すごいタイトルだ)だけはなかなか見つからず、とうとう高校生活の終わり、つまりは受験の時期までずれ込んでしまった。
大して勉強していなかったし、予想通り、受けた大学は軒並み落ちていった。
それでもやはり気分は暗くなる。最後の合否発表は明治で、心配してくれたんだろう、姉貴が発表を見た足で『ジョージ・ハリソン帝国』を捜しに行こうと、一緒に付いて来てくれた。
当然、明治も落ちていたわけで、くらーく京王線で新宿に向かったのだった。
この日のために姉貴は西新宿のレコード屋のことを調べてくれていたようで、かなり自信ありげだったように思う。ところが、無いのである。全然、見つからないのである。天気もなんだか悪くて、この上なく不景気な気分になった。
姉貴としても不憫に思ったのだろう、原宿のゲット・バックにまで引っ張っていってもらったのだが、そこにも無いのである。じめじめした山手線に乗って姉弟くらーく帰ったのだった。
しかし、今思うとほんと家族とはありがたいものだ。これ一つとっても姉には一生分借りがあると思う。
しかし、そんな『ジョージ・ハリソン帝国』もその後簡単に見つかった。見つかる時はごろごろ見つかる。そんなものだ。そしていわゆる「ソロ・アルバム」も揃ったわけで、先の念願のベスト・テープも完成した。今でも取ってあるので松村雄策風に書いておこうと思う。
Side A
1.My Sweet Lord
2.What Is Life
3.Hear Me Lord
4.Give Me Love (Give Peace On Earth)
5.You
Side B
1.Dark Horse
2.Bangla desh
3.Teardrops
4.All Those Years Ago
5.Just For Today
6.Got My Mind Set On You
今見ると、穏当かつ偏った選曲である。左のベスト盤と6曲も重なっている。そして、せっかく手に入れたにもかかわらず、『33&1/3』、『慈愛の輝き』と『ゴーン・トロッポ』からは一曲も入っていない。
『慈愛の輝き』はいいアルバムなのだけど、シングルっぽい曲、つまりこういうベスト・テープに入るような曲がなかった。一方、『33&1/3』、『ゴーン・トロッポ』の方は単純に該当作なしといった感じだった。(後に出た『ベスト・オブ・ダーク・ホース1976〜1989』には色々入っていたが、いれすぎ、と思った)
今テープを作りなおすなら(作りなおさんけど)、また違った選曲になるだろう。『ジョージ・ハリソン帝国』や『サムウェア・イン・イングランド』にはいい曲多いから。しかし、これらのアルバムについては、また個々に書こうと思います。
ところで、ところで76年に出たジョージのEMI時代のベスト・アルバム、前半はビートルズという、ひどい内容のもの。僕ならずとも、ちゃんとしたベスト盤を作ってあげたくなるよね。(うらわ) |