Album Review "F"
アルバム・レビュー"F"



Faine Jade
"Introspection:A Faine Jade Recital"
Produced by Jerry Simon
('68)
2,4,5,6,10,11,14&16 Written
by Faine Jade/Nick Manzi
3,8&15 by Faine Jade/Nick Manzi/
Bruce Bradt
9 by Faine Jade/Jerry Simon
12&13 by Faine Jade

1.Tune Up (Non-Music Work)
2.Docter Paul Overture
3.People Games Play
4.Cold Winter Sun Symphony In D Major
5.I Lived Tomorrow Yesterday
6.Ballad Of The Bad Guys (1956 A.D.)
7.Piano Interlude
8.Introspection
9.In A Brand New Groove
10.On The Inside There's A Middle
11.Don't Hassle Me
12.Grand Finale (Don't Hassle Me Part2)

CD Bonus Tracks
13.Stand Together In The End
(Theme From An Imaginary Beatles' Reunion Or Woodstock Reprise)
14.Docter Paul
15.People Games Play
16.Don't Hassle Me (Instrumental)

ファイン・ジェイドの68年の唯一のアルバム。
彼はアメリカ人だということだが、あと詳しい事は知らない。実際、あまり資料もないらしい。

スリーブには彼の63年、68年、84年、93年の写真が載っているんだけど、全部ピンぼけである。しかし、63年のものも93年のもギターを持っているのが印象的である。
そして、左の曲名群を見てほしい。長いでしょう? そして副題が多いでしょう? うるさそうな言葉遣いでしょう?

つまりは、彼はあまり露出を好むタイプではなさそうだ。同時に、相当のこだわりの人だと思う。音楽への執念はすごそうだ。
どう考えても音楽で食えているはずはないのだけど、しっかり音楽を続けている。

一曲目(タイトルにある通り曲と言えないが)いきなり、もろサージェントなオーケストラのチューニング音から始まりニンマリさせられる。続く二曲目は線の細い声でファイン・ジェイドが一生懸命歌う、なかなか可愛いメロディー。ここまで聴いて、このアルバムは当たりだとすぐ確信できる。

68年という時代もあって、サイケデッリクな曲も多い。[4]とか[11]とかはかなり来ている。
[6]なんかは結構ロックン・ロールしててかっこいいのだけど、副題の(1956 A.D.)のA.D.という部分がうるさいよなあ。でも、アルバムのここら辺まで聴き進めてくる頃には、それも何だかささやかなこだわりみたいで、憎めなくなる。
声が教えてくれるのだが、彼は不気味な謎の人物ではなく、近所の音楽こだわり兄ちゃん(あるいはおじさん)なのだ。

そして、なんと言っても93年録音の[13]。
25年の時を越え、何の違和感もなくアルバムに調和するこの曲の副題は『架空のビートルズの再結成、あるいはウッドストックの再現』である。
本当の再結成に先駆けること2年。勝手に再結成している奴がいました。
この曲を一言で表現すると「繊細」。鳥のように自由な歌に負けない優しい曲です。(うらわ)

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"Introspection" [FROM UK]
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The Family Tree
"Miss Butters"
Produced by Rick Jarrard ('68)
All Songs exceot 6 Written
by Bob Segarini
6 by Nilsson/Bob Segarini

1.Birthday/Dirgeday
2.Melancholy Vaudeville Man
3.Any Other Baby
4.Sideshow
5.Mrs.McPheeny
(Has Flu In Chest And Has Needed
A Rest For So Long)
6.Butters Lamet
7.Simple Life

8.Slippin' Thru My Fingers
9.Nine To Three
10.Lesson Book Life
11.Nickelodeon Music
12.Miss Butters

『ソフト・ロックAtoZ』という本がある。ソフト・ロックのバイヤーズ・ガイドである。僕は持ってないけどTさんが持っていて、以前見せてもらった事がある。

バイヤーズ・ガイドというのは何にもよらず大抵楽しい。僕が一番お世話になったのは前にも書いたが、渋谷陽一著の『ロック ベスト・アルバム・セレクション』という文庫本である。
大抵のバイヤーズ・ガイドはけなす事はあまりしない。当たり前である。けなしていたら「不買ヤーズ・ガイド」ある(←ちなみにこれは駄洒落のようなものである)。

まだ聴いたことのないアルバムに夢をはせ、どういう音なのか想像するのは楽しい。中にはあまりに想像しすぎて、もはや聴いた気になってしまうアルバムもある。特にお金が今よりない学生時代は夢想がより激しかった。
想像して、夢想して、やっと手に入れたものがそれほどでもなかった、という事も、当然ある。がっかりだし、時には腹も立つ。なんじゃこのガイドは、と思うこともある。
しかし、ここら辺は宝くじを思い浮かべてもらいたい。宝くじだって当たりゃあ、そりゃそれが一番である。しかし一方、「いやいや、宝くじは夢を買うものさ」とクールにいう人もいる。確かにそうなのかも、と思うのですよ。大した額買ったわけでもないし、色々当たった時のことを思い描かせてもらって、それなりに楽しませてもらったわけで。

つまり、宝くじからの類推で僕が得た結論は、
1.宝くじもレコードも、あまり大口に買うと夢を買えなくなるかも(金額にあまりに見合わないと、もはや夢で済まなくなるから。それは単なるつらい現実である)。
2.バイヤーズ・ガイドは好きなだけアーティストを褒めちぎってよい。

うーん、1はともかく、2は自分でも思っていなかった結論だな。勢いという奴だ。
まあ、そこまで極端な事を言わんでも、けなしてばかりいる評論家とか、雑誌とかは大嫌いである。そんなに厭なら聴かなきゃよろしい、書かなければよろしい。そういう雑誌にあんまり腹がたって、読んでる最中にゴミ箱に捨てた事がある。

話がなかなか左のアルバムの方に行かないですな。
さて、最初に書いた『ソフト・ロックAtoZ』にはビートルズに影響を受けたアーティストも結構載っている。Tさんがそういうアーティストをわざわざピック・アップして教えてくれた。
単にそういうアーティストのレコードを僕に買わせようという陰謀という説もあるが、そういう面では割と素直な性格なので、思わず通販で買ってしまった。それが68年リリースのこのアルバムである。

『ソフト・ロックAtoZ』では、サージェント・フォロワーとしてとにかく褒めちぎっている。「そんなにすげえアルバムが本当にあるんかい?」と疑問に思うくらい褒めている。いや、本当は疑問ではなく反語で、「そんなすげえアルバムが本当にあるんかい?(いや、ない)」と理性は告げているんだが、買ってしまった。

確かにいいアルバムである。それなりに。ゾンビーズの『二人のシーズン』とかにも通じる、割ともっさりしたリズムにポップなメロとコーラスの世界。突き抜けたものはないけど、ほのぼのといい感じ。とぼけたピアノが可愛い[11]なんかが好きだな。この曲、コーラスもいい。

それにしても所ジョージのやっている「1億使ってもまだ2億!」というCMは射幸心あおりすぎ。明日買いに行くけど。(うらわ)

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The Fool
"The Fool"
Produced by Graham Nash
/Cyrus ('69)

1.Fly
2.Voice On The Wind
3.Rainbow Man
4.Cry For Me
5.No One Will Ever Know
6.Rincarnation
7.Hello Little Sister
8.Keep On Pushin
9.Inside your Mind
10.Let It Down

CD Bonus Tracks
11.We Are One
12.Shining Light

アップル・ブティックの商品や壁画、ジョンのロールス・ロイスやジョージのギターへのサイケデリックなペイントでおなじみのフール。
でも、彼らがアルバムを出していた事はあまり知られていないのでは。

新宿辺りのレコード屋のビートルズ・コーナーに、とんでもない値段で置いてあるのはたまに見かけたけど、いつのまにかにCDが出ていたのね。
でも、しかし、それでも、買うの迷ったよなあ。だって彼等の音について書いてある文献て読んだ事ないんだよなあ。ジャケットから判断すると、すごくいいか、すごく飛んでもねえか、どっちかという感じだし。よければ誰かが書くだろうなあ、と。
あと、これ、ボーカルとか入ってんのかね、とか。なんかインドっぽいインストの可能性も疑った。

でも、買っちゃった。そして、結論から言うと、結構良いアルバムです。もし、買うか迷っている人がいたら、多分大丈夫ですよ。

フールのメンバーを一応書くと、ヨースエ・レーテル、マリーケ・コーゲル、シーモン・ボシュマ、バリー・フィンチ、サイモン・ヘイズの5名。サイモン・ヘイズはこのアルバムには参加していません。彼はマネージャー挌ということらしい。
ヨースエ、マリーケ、シーモンと、不思議な名前ですが、彼らがオランダ人のせい。一方、バリー・フィンチはカナダ人。

当然、このアルバムはアップルから出ていない。事の詳しい経緯は分からないが、アップル・ブティック閉店後の68年にアメリカで、グレアム・ナッシュ・プロデュースの下、レコーディングされている。

音のほうは民族音楽しています。そう言うと、ひいちゃう人もいるかもしれないけど、基本はメロディックな歌物だから大丈夫。
あんまりうまい例えが思いつかないんだけど、なんとなく『バンガロウ・ビル』とか、リンゴの『サンシャイン・ライフ・フォー・ミー』とかを連想しました。(うらわ)

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