| 『ソフト・ロックAtoZ』という本がある。ソフト・ロックのバイヤーズ・ガイドである。僕は持ってないけどTさんが持っていて、以前見せてもらった事がある。
バイヤーズ・ガイドというのは何にもよらず大抵楽しい。僕が一番お世話になったのは前にも書いたが、渋谷陽一著の『ロック ベスト・アルバム・セレクション』という文庫本である。
大抵のバイヤーズ・ガイドはけなす事はあまりしない。当たり前である。けなしていたら「不買ヤーズ・ガイド」ある(←ちなみにこれは駄洒落のようなものである)。
まだ聴いたことのないアルバムに夢をはせ、どういう音なのか想像するのは楽しい。中にはあまりに想像しすぎて、もはや聴いた気になってしまうアルバムもある。特にお金が今よりない学生時代は夢想がより激しかった。
想像して、夢想して、やっと手に入れたものがそれほどでもなかった、という事も、当然ある。がっかりだし、時には腹も立つ。なんじゃこのガイドは、と思うこともある。
しかし、ここら辺は宝くじを思い浮かべてもらいたい。宝くじだって当たりゃあ、そりゃそれが一番である。しかし一方、「いやいや、宝くじは夢を買うものさ」とクールにいう人もいる。確かにそうなのかも、と思うのですよ。大した額買ったわけでもないし、色々当たった時のことを思い描かせてもらって、それなりに楽しませてもらったわけで。
つまり、宝くじからの類推で僕が得た結論は、
1.宝くじもレコードも、あまり大口に買うと夢を買えなくなるかも(金額にあまりに見合わないと、もはや夢で済まなくなるから。それは単なるつらい現実である)。
2.バイヤーズ・ガイドは好きなだけアーティストを褒めちぎってよい。
うーん、1はともかく、2は自分でも思っていなかった結論だな。勢いという奴だ。
まあ、そこまで極端な事を言わんでも、けなしてばかりいる評論家とか、雑誌とかは大嫌いである。そんなに厭なら聴かなきゃよろしい、書かなければよろしい。そういう雑誌にあんまり腹がたって、読んでる最中にゴミ箱に捨てた事がある。
話がなかなか左のアルバムの方に行かないですな。
さて、最初に書いた『ソフト・ロックAtoZ』にはビートルズに影響を受けたアーティストも結構載っている。Tさんがそういうアーティストをわざわざピック・アップして教えてくれた。
単にそういうアーティストのレコードを僕に買わせようという陰謀という説もあるが、そういう面では割と素直な性格なので、思わず通販で買ってしまった。それが68年リリースのこのアルバムである。
『ソフト・ロックAtoZ』では、サージェント・フォロワーとしてとにかく褒めちぎっている。「そんなにすげえアルバムが本当にあるんかい?」と疑問に思うくらい褒めている。いや、本当は疑問ではなく反語で、「そんなすげえアルバムが本当にあるんかい?(いや、ない)」と理性は告げているんだが、買ってしまった。
確かにいいアルバムである。それなりに。ゾンビーズの『二人のシーズン』とかにも通じる、割ともっさりしたリズムにポップなメロとコーラスの世界。突き抜けたものはないけど、ほのぼのといい感じ。とぼけたピアノが可愛い[11]なんかが好きだな。この曲、コーラスもいい。
それにしても所ジョージのやっている「1億使ってもまだ2億!」というCMは射幸心あおりすぎ。明日買いに行くけど。(うらわ) |