Album Review "E"
アルバム・レビュー"E"



Electric Light Orchestra
"Out Of Blue"
Produced by Jeff Lynne ('77)
All Songs Written by Jeff Lynn

1.Turn To Stone
2.It's Over
(哀愁の果て)
3.Sweet Talkin' Woman
4.Across The Border
(国境の彼方)
5.Night In The City
6.Starlight
7.Jungle
8.Believe Me Now
9.Steppin' Out
"Concerto For A Rainy Day"
(雨の日のコンチェルト)
10.Standin' In The Rain
(雨にうたれて)
11.Big Wheels
12.Summer And Lightning
13.Mr. Blue Sky
14.Sweet Is The Night
15,The Whale
16.Birmingham Blues
17. Wild West Hero

その手の音がすきで、「ポップ」だと言われるアルバムは結構聴いてきたと思うのだが、びびっちまう程ポップなアルバムというのは数えるほどしかないような気もする。これは数少ないその一つ。マジでびびりました。

ジェフ・リンというと、音のイメージがビートルズ・ファンには定着してしまっていて「良くも悪くもジェフ・リン」という感じだと思うのですが。アコギを何本もオーバー・ダビング、独特のコーラス、音の定位も大体どの曲も似たり寄ったりで、まあ、ワン・パターンですね。ポールの『メイビー・ベイビー』なんて典型的ですね。「なるほどねえ」と同時に「あーあ」みたいな。

しかし、そのスタイルが定着したのは主に80年代後半にプロデュース業におさまってからであって、60〜70年代の彼というのはやはりすごいっす。
とはいうものの、僕自身このアルバムを聴いたのは実はわりと最近。すげえアルバムをやり過ごしていたものです。

そもそも初っ端[1]の分厚い音、グルーヴ感はなんなんでしょうか? アコギ、シンセ、ストリングス、コーラスがそれぞれ何層にも重なっていて、しかもそれぞれがキャッチーなフックとして機能している。これだけ分厚いのに、埋もれてしまっている音、死んでいる音がない!なんじゃこれは! こんなの聴いたことないぞ!なんかポップすぎて怖い!とマジで縮み上がりました。

全編コーラス、ストリングスの使い方は本当に恐れ入ります。このアルバムの頃のジェフ・リンは魔法使いですね、ポップの。しかも生まれつきの魔法使いではなく、魔術の研究の結果、謎を解き明かしたところもすごい。
この音作りはまぎれもなくジェフ・リンが長い期間を掛けて独自に確立したもの。あえて言えばクイーンや10ccあたりの影響はあるでしょうが、60年代のアイドル・レースから始まって、ロイ・ウッドとのムーヴ〜初期エレクトリック・ライト・オーケストラ、そしてELOと、彼は問い続け、研究し続けた。「ビートルズってなんなんだろう?」「ポップってなんなんだろう?」
その研究結果がこのアルバムだと思います。ビートルズが発明/拡大した「ポップ」という芸術分野の最終系、どんづまりがこのアルバムという気がします。もう、これ以上はない。もう、こっから先もない、みたいな。2000年現在でもこのアルバムの最北端到達記録はまだ破られていない、みたいな。

「どれか一曲」みたいなことを許さないアルバムですが、やはりビートルズを3周目している人が必聴なのが[13]でしょう。『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』の本歌取りですが、こんな素敵な本歌取り、ちょっと他に思いつかない。(うらわ)

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Out of Blue
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Electric Light Orchestra
"Zoom"
Produced by Jeff Lynne ('01)
All Songs Written by Jeff Lynne

1.Alright
2.Moment in Paradise
3.State of Mind
4.Just for Love
5.Stranger on a Quiet Street
6.In My Own Time
7.Easy Money
8.It Really Doesn't Matter
9.Ordinary Dream
10.A Long Time Gone
11.Melting in the Sun
12.All She Wanted
13.Lonesome Lullaby

Japan Bonus Track
14.Long Black Road







(うらわ)

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Elvis Costello
"Spike"
Produced by Patrick MacManus ('89)
All Songs except 4,10&11 Written
by Patrick MacManus
4&10 by Patrick MacManus
/Paul McCartney
11 by Patrick MacManus/O'Riordan

1....This Town...
2.Let Him Dangle
3.Deep Dark Truthful Mirror
4.Veronica
5.God's Comic
6.Chewing Gum
7.Tramp The Dirt Down
8.Stalin Malone
9.Satellite
10.Pads, Paws And Claws
11.Baby Plays Around
12.Miss Macbeth
13.Any King's Shilling
14.Coal-Train Robberies
15.Last Boat Leaving

混沌としたアルバムというのがある。ビートルズで言ったらホワイトがそれに当たるだろう。ジョージ・マーティンが2枚組で出すのを反対したことに象徴されるように、当時はあまり評判がよくなかったようだ。でも、今ではホワイトは人気アルバムの一つになった。ミュージシャンでもフェバリットに挙げてる人は多いよね。

この『スパイク』も混沌としたアルバムだ。[4]のヒットで、世間的にコステロを認知させるきっかけになったアルバムだろうが、ファンの間ではそれほど評判はよくないようだ。個人的には初めてちゃんと聴いたコステロのアルバムだし、今でも一番好きなアルバムです。きっとファンの間での評価も長期的には上がっていくのではないかと踏んでいるんですが、どうでしょうか。

ポールの『フラワーズ・イン・ザ・ダート』と同じ年に出たアルバムで、[4]と[10]は二人の共作。[1]と[4]ではベースも弾いてます。この頃からポールは古いヘフナーを持ち出してるが、元々はコステロが進言したのだそうだ。

最初聴いた時の印象はとにかく強烈で、とくに鼻にかかったボーカルが耳から離れなくなり、夜うなされそうだった。同時期の『フラワーズ…』でのポールの弱いボーカルとは対照的な、毒のあるエネルギッシュな声である。

この人は元々駄曲というもののない人だが、全編唸ったり囁いたり、素晴らしい歌が並んでいる。まず、ポールがらみの[1][4]は文句のないポップなつくり。[10]のクレージーさも良いね。
その他叙情的な[5][7][15]辺りも好きだし、ファンク風の[6]も聴いてて暴れてしまいそうである。CDフォーマットになって初めてのコステロ。増えた収録時間を利用して思いっきり暴れてる感じです。
(うらわ)

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Spike
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