Album Review "D"
アルバム・レビュー"D"



Denny Laine
"Wings At The Sound Of Denny Laine"
Produced by Denny Laine & Nick Smith
1,3&8 Written by Paul McCartney
/Denny Lane
2,10&11 by Denny Laine
4 by Banks/Bennett
5,6,7,12&14 by Paul McCartney
9 by Mitchell
13 by John Lennon/Paul McCartney

1.Mull Of Kintyre
(夢の旅人)
2.Time To Hide
(やすらぎの時)
3.Children Children
4.Go Now
5.Silly Love Songs
6.The Note You Never Wrote
7.Listen To The Man Said
(あの娘におせっかい)
8.Deliver Your Children
(子供に光を)
9.Can't Nobody Love You
10.Say You Don't Mind
(構わないと言って)
11.Again And Again And Again
12.Piccassos Last Words
(ピカソの遺言)
13.Blackbird
14.Band On The Run

ウイングスにおけるデニー・レインの役割というのは相当大きいと思っております。別にデニー・レインについての文章を書くからそう言っているんではなく、元々そう思ってました。
例えば、『子供に光を』とか『アゲイン・アンド・アゲイン・アンド・アゲイン』なんかは典型的ウイングス・サウンドなんではないでしょうか。こういうミドル・テンポの割ともっさりしたリズムのポップ・ソングというのは、ポールの曲にも多いけど、これってデニー・レインの趣味も関係しているんではないでしょうか。

さて、このアルバムだけど、ウイングスのカバー集という事で、まあ、なんと言うか、なんと言えばいいんでしょう?
正確には純粋なウイングス曲は[1][2][3][5][6][7][8][11][12][14]といことになります。[4][9]はムーディー・ブルース時代のレパートリー(いずれもカバー)、[10]はムーディー・ブルース脱退後にソロとして出した自作曲。[13]はウイングスのライブでのレパートリーという事で取り上げられたのでしょう。

具体的にどういう経緯で録音され、出されたものかクレジットがないのでよく分からないが、日本盤CDの発売は96年の様です。内容的には大きく分けて三つのセッションに分かられるんではないでしょうか。
一つ目はバンドによるほぼまんまコピー曲。[2][4][5][14]がそれにあたる。[5]や[14]なんてどんな顔してやってるのかと思ったが、結構一生懸命歌ってます。キー的にきつそうだけど、しわがれ気味な声での無理やりなシャウトが僕は割と好きです。

さて、ニつ目は[1][7][8][10]で、これはバイオリンをフューチャーしたなんとも形容しがたいアレンジ。[1]なんかはまだいいのだけど、[7]なんかはドラムレスのせいもあって聴いてて気が抜ける。というか少し体調が悪くなる。

三つ目はアコースティック・ギターでの弾き語り[3][6][9][11][12][13]ですな。たんに低予算という説もあるが、なかなかどうして。ウイングス時代の彼の声というのは、平板で鼻にかかった感じがどうも好きになれなかったが、さっきも書いたように、年とって味が出たみたい。かなりうまくなっているしね。
まあ、なんと言うか、なんと言うかですが、思ったより良いのですよ。


その後、鈴木氏から情報を提供していただきました。海外盤に載っていた文章によると、録音は『リボーン』の後とのこと。全世界のファンからこのアルバムの発売への熱烈な要望があったにもかかわらず、デニーの方は最初気乗りがしなかった。しかし、この曲目でツアーを行った後、アルバムとして録音する事を決意したとあります。
そして、なんと、エグゼクティブ・プロデューサーは、ブライアン・アダムス! なんか、謎がさらに深まった気もします。(うらわ)
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Denny Laine
"Wings At the Sound of Denny" [FROM UK]

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Donovan
"A Gift From A Flower To A Garden"
Produced by Mickie Most ('68)
All Songs except 8 Written
by Donovan Leitch
8 by William Shakespeare
/Donvan Leitch

1,Wear Your Love Like Heaven
(天国の愛につつまれて)
2.Mad John's Escape
(ジョンは逃げていく)
3.Skip-A-Long Sam
4.Sun
(おひさま)
5.There Was A Time
(あの日あの時)
6.Oh Gosh
7.Little Boy
(コーデュロイを来た男の子)
8.Under The Greenwood Tree
(緑の木陰で)
9.The Land Of Doesn't Have To Be
(夢の世界へ)
10.Someone's Singing
(誰かが歌っている)
11.Song Of The Naturalist's Wife
(自然主義者の妻の歌)
12.The Enchanted Gypsy
(魅惑のジプシー)
13.Voyage Into The Golden Screen
(幻想の中へ)
14.Isle Of Islay
(アイレー島)
15.The Mandolin Man And His Secret
(マンドリン弾きの秘密)
16.Lay Of The Last Tinker
17.The Tinker And The Crab
(いかけ屋とカニの話)
18.Widow With Shawl (A Portrait)
(ショールの未亡人)
19.The Lullaby Of Spring
(春の子守歌)
20.The Magpie
(かささぎ)
21.Starfish-On-The-Toast
22.Epistle To Derroll
(デロルへの書簡)

ドノヴァン、変な名前。苗字なの?名前なの?という感じだ。

正解は名前。フルネームはドノヴァン・フィリップ・リーチといいます。ドノヴァンとビートルズとの関係はわりと深くて、いくつかの共演盤もある。
有名なところでは『愛こそすべて』へのコーラスの参加ですね。このアルバムはその参加から半年ほど経った68年にリリースされた作品。

洋の東西を問わず、芸能人というのは何故か新興宗教にはまりやすいようだが、ドノヴァンとビートルズはマハリシ仲間でもある。このアルバムのスリーブにも、しっかりマハリシと語るドノヴァンの写真が載っている。
マハリシといえば、インドのリシケシでビートルズが過ごしたときも、ドノヴァンは一緒だった。その時彼がビートルズにギターのスリー・フィンガー・ピッキングを教えたという。
ホワイト・アルバムにはスリー・フィンガー・ピッキングの曲が沢山あるのはそのせい。ドノヴァンがその場にいなかったら、ホワイトはあれ程アコースティックにならなかったかもしれない。

さて、このアルバムだが、別にビートルズがらみで買ったわけではない。レコード屋でたまたま流れていたのを聴いてすごく気に入ったのだ。なんか、ヴィヴィアン・スタンシャルとアイドル・レースの中間という風に聞こえた。店員に聞いてみたところ、ドノヴァンと教えられ、ちょっとびっくり。すごくポップだと思ったから。ジャケも気に入り、68年という発表年も気に入り、速攻買った。
でも、レコード屋で聴く音ってわりと当てにならないよね。でかい音でちょっとだけ聴くと、なんかすごくいい曲に思ってしまうことがある。ただし、このアルバムに関しては当たりだった。

元々は2枚組の作品で、[1]〜[10]が「エレクトリック・アルバム」(天国の愛につつまれて)、[11]〜[22]が「アコースティック・アルバム」(夢見る少女に)となっている。僕が好きなのは当然前半。
邦題は『ドノヴァンの贈り物/愛の花園』。各曲の邦題もどれもひどいですな。むしろ無いほうがすっきりするくらいだ。まあ、日本に限らず欧米でもこういうとらわれ方をされていたので、その後の低迷が訪れてしまったのかもしれない。

ジョンが67年にソロ・アルバムを出していたらこんな感じになったんでは。クールで、カラフルで、軽いユーモア。男前です。(うらわ)

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Donovan
"Hardy Gurdy Man"
Produced by Mickie Most ('68)
All Songs Written by Donvan Leitch

1.Hurdy Gurdy Man
2.Peregrine
(はやぶさ)
3.The Entertaining Of A Shy Girl
(
内気な娘と遊んだ話)
4.As I Recall It
(
ふり返ってみれば)
5.Get Thy Bearings
(
しっかりおしよ)
6.Hi It's Been A Long Time
(
待たせてごめんね)
7.West Indian Lady
8.Jennifer Juniper
9.The River Song
10.Tangier
11.A Sunny Day
12.The Sun Is A Very Magic Fellow
(
太陽は魔術師)
13.Teas
(
冬のカフェで)

これも68年の作品。タイトル・ナンバーの[1]は彼の代表曲の一つだが、一応、ビートルズに関係のある曲。ハーディー・ガーディーというレコード屋さんもあるが、元々は中世の自動ヴァイオリン演奏機のことだそうだ。
"A Gift From A Flower To..."の項でも書いたが、ドノヴァンとビートルズは67年、インドのリシケシュで一緒だった。その時、ビートルズ、マイク・ラヴ、ミア・ファロウらの面前でドノヴァンが作った曲が、これ。その場でジョージが詞を付け加えたそうだが、その部分は「シングル曲は3分以内」というレコード会社の意向で、カットされてしまった。

それにしてもこの曲、レコーディングした面子がすごい。ギター:ジミ―・ペイジ、ドラム:ジョン・ボーナム、ベース:ジョン・ポール・ジョーンズ。ビートルズ・ファンだけでなく、Zepファンも必聴の曲ですね。
元々ジミ・ヘンのために書いた曲で、自分でレコーディングする事になった時も、本当はジミに来てもらおうとしたらしいんだけど、都合がつかなかった。そこでアレンジャーをやっていたジョン・ポール・ジョーンズの紹介で、ジミ―・ペイジが呼ばれたとのこと。「ジミ・ヘンの代わり」という事で気合が入ったのかどうかは知らないが、相当いい仕事していると思います。非常に面白い音出している。ボンゾは結構遠慮している様ですが、やはり、どこか顔を出してますね、彼らしさが。
「サイケ」という言葉だけではすまないへヴィーさは、ホワイトの頃のジョンとどこか共通している。

アルバム全体を見回しても、面白い曲ばかり並んでいますな。前半はもろインドの[2]、ボードビル調の[4]、ブラスを多用したポップ・ソングの[6]と、『サージェント』を意識したものも多く目につく。後半はひたすら繊細なドノヴァン・ワールドでございます。ふんわかふんわか、綿飴状です。(うらわ)

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