Album Review "C"
アルバム・レビュー"C"



Cash
"Bedfinger"
Produced by Dewroh The Emon ('92)
1,4,5,9&10 Written by Shinobu Ota
2,3&8 by Hiroyuki Watanabe
/Dewroh The Emon
6 by Shinobu Ota/Hiroyuki Watanabe
/Seiji Koyama/Masaaki Ishibasi/Hideki Sugiura/Dewroh The Emon
7 by Dewroh The Emon

1.Be Somebody
2.Everybody's Got To Feel The Good Way
3.Blue For True
4.Don't Give Up
5.Oyasumi
6.Bedfinger
7.My Dear Friend
8.A Love Song
9.Cash's Boogie
10.Still Got Time

関連項目
Badfinger"No Dice"

92年のアルバム。このページで取り上げる数少ない日本人のバンドです。
ジャケットはバッドフィンガーの『ノー・ダイス』のパロディー。裏ジャケはヘアまで見えるようになってます。ちょうど樋口可南子らのおかげで、ヘアが市民権を得た頃かな。
タイトルもふーんという感じだが、内容はバッドフィンガーというよりビートルズ。

元々ビートルズのコピー・バンドをしていた人達ということだが、パロディーとビートルズへの愛情が交錯し、日本人ということもあって、なんとなく気恥ずかしい面もある。なんだか、知り合いがやっているような気がしてしまうのだ。
ドラムをはじめ、演奏が少し弱いのが残念。曲はいいと思うんだけど。こういうのも「身内意識」からそう聴こえるのかなあ。正直、よく分からない。

ジョン・ソロっぽい曲が多いのも特徴。[4][5][7][9]とかはもろだ。僕は明らかにジョンよりポール派なので、余計恥ずかしいのかもしれない。でも、『ロックン・ロール・ピープル』っぽい[9]なんかは好き。というか、この一曲のために、「このアルバムはなんだかいいアルバム」という評価が自分の中にある。

でもさ、たとえば太宰好きの知り合いが、太宰っぽい小説書いたら素直に読める? 実際いい作品だとしても、こっぱずしくてまともに読めないよね。ジョン・ソロもそういうとこあるんじゃない?

ジョン好きに聴いてもらいたい。きっと僕とは違う評価になるんじゃないかな。(意外と嫌われちゃったりして)
(うらわ)

Amazon.co.jp アソシエイト
"Bedfinger"
This Item may be ... On Third Round



Cheap Trick
"At Budokan"
Enginered byTamoo Suzuki/Gary Lodinsky ('78)
1,2,3,4,7,8,9 Written by Rick Nielsen
5 by Rick Nielsen/Tom Petersson
6 by Antoine Domino
/Dave Bartholomew

1.Hello There
2.Come On,Come On
3.Look Out
4.Big Eyes
5.Need Your Love
6.Ain't That A Shame
7.I Wan
You To Want Me
8.Surrender
9.Goodnight Now
10.Clock Strikes 10

何故かチープ・トリック。このページも最近は『サード・ラウンド・オン・ビートルズ・トラック』ではなくて、『今日僕のウォークマンでラウンドしたトラック』と化してるかも。

えー、僕の5つ違いの姉はなんだか知らないが沢山レコードを持っていた。相当色々なジャンルに手を出していたと思うけど、当時流行りのアメリカン・ロックが多かったかな。ブルース・スプリングスティーンとか、ヒューイ・ルイスとか、リック・スプリングフィールドとか。今思うと、学生の分際でなんであんな沢山レコードを買えたんだろう。バイト代を全部つぎこんでいたのでしょうか。

姉弟のよしみでそのレコード・コレクションはある程度自由に聴く事が出来たんだけど、結局ビートルズを除くとほとんど趣向は重ならなかったのだから、不思議なものだ。大きく分ければ、アメリカンとブリティッシュの違い。
チープ・トリックはその姉上の大好きだったバンドで、(今は知らない。多分忘れてるんじゃないかな)『永遠の愛の炎』で復活した事もあって、僕もつられて聴いていた数少ないアメリカンなバンドだ。うーん、ベスト・ヒット・USA。ブリジストン、ポテンザ、パイオニア。(何故かCMをよく覚えている)

チープ・トリックはビートルズ・テイストを持ったハードロック(?)バンドとして、浮き沈みはあったにしても70年代から今の今までがんばっている。さっき書いたように、僕がリアルタイムで知ったのは第2期黄金期からだが、90年代の中ごろもパワー・ポップの元祖としてなんだか再評価されたりもした。(ところであの「パワー・ポップ」というくくりは生理的に合わなかった。というかむかついた。少し)

これだけ長い間やるからには、やはり彼らは特別な何かを持っているんだろう。個人的には「アホそうに見せ掛けて相手を安心させる技」に長けているんではないかと思う。実際は相当クセもんなんでは。

さて、恐らく彼らの作品でもっとも有名なこのアルバム。オープニングで「とむー!」とおもいっきりジャニーズ的声援で始まってちょっとずるっとくるが、前半の疾走感はすごい。ポップなメロにブースターかかってます。
そして[6]の下敷きはジョンのバージョン。客にはあんまり受けてないみたいで笑える。「えー、こんな曲知らないー」ということでしょうか。後にリック・ニールセンはジョンに声をかけられて『ルージング・ユー』セッションに参加する事になりますが、こういうアピールがきいたのでしょうか。ギター・ソロで『プリーズ・プリーズ・ミー』のフレーズを突然弾いたりして、「アホそうに見せ掛ける技」が炸裂してます。(本気だったりして)
一番受けているのはスイート・ポップの[7]。ぜひジェリーフィッシュにカバーしてもらいたかったナンバーですな。きっとはまりそう。
(うらわ)

Amazon.co.jp アソシエイト
Cheap Trick At Budokan
"Cheap Trick At Budokan"

AmazonCheap Trickを検索
This Item may be ... On Third Round



Cibo Matto
"Stereo Type A"
Produced by Yuka Honda With Cibo Matto ('99)
All Songs except 4,12,13&15 Written by Cibo Matto
4 by Ellis/Hatori/Honda/Love
12&13 by Ellis/Hatori/Honda/Lennon
15 by Bowne

1.Working For Vacation
2.Spoon
3.Flowers
4.Lint Of Love
5.Moonchild
6.Sci-Fi Wasabi
7.Clouds
8.Speechless
9.King Of Silence
10.Backseat
11.Blue Train
12.Sunday Part I
13.Sunday Part II
14.Stone
15.Mortming
16.Country

関連項目:
Sean Lennon "Into The Sun"

ショーン・レノンの『イントゥ・ザ・サン』を聴いてるうちに、ショーンの彼女であり、『イントゥ…』のプロデューサーであり、チボ・マットの音楽的ブレインであるらしい本田ゆかさんに興味が湧いてきた。というのは嘘で、もともとショーンなんかより本田ゆかの方が興味ありありだったのだが、聴いてみないことにはまず話にならないので、とりあえず中古CD屋で売っていた"Super Relax"を聴いてみた。
これはまあいわゆるミニ・アルバムっちゅうかマキシ・シングルというやつで、"Super Water"の様々なリミックスを中心とした音源で、正直、よく分かんなかった。「ストレンジな音」だというとこまでは分かったのだが、どうもそれ以上には感じられなかった。なんか、「日本人」であることがそのストレンジさの根源で、日本人である僕にはあまりアピールしないような。

安易な引き合いで申し訳ないが、例えばやはりアメリカのインディー系シーンで活躍している少年ナイフとかは、向こうの人が聴いても当然「ストレンジな音」だろうし、日本人の僕が聴いても「うわ〜、ヘンだよ〜、この人達の音。でもかっちょいいかも」と、性別国籍人種を越えた個性を感じさせられる。

だけどまあ、どうもリミックス集だけじゃよくわからんし、しかもちょっと古めの音源だったので、ぜひちゃんとしたアルバムを買ってみたいなあと思ってたところ、うまいこと秋葉のヤマギワに最新アルバムが置いてあったので、ゲットしました。
うーむ、ジャケからして、ショーンのアルバムよりなにか「良きヴァイブ」が感じられるぞ。「良きフォース」かも。[6]で「ユニオン・スクウェアでオビワン・ケノービが私を待っている」なんて歌っているのは偶然ではないかも。

一応ショーン絡みでチボ・マットを紹介しとくと、もともと彼がチボ・マットの二人(羽鳥美保と本田ゆか)に出会ったのはヨーコの"Talking To The Universe"のリミックスを二人が手掛けたのがきっかけ。その後ショーンは彼女らのツアーにベース・プレイヤーとして参加。ビースティー・ボーイズと知り合ったのも彼女達からの縁だったらしい。

で、このチボ・マットのセカンド・アルバムにはショーンと彼の友人ティモ・エリス(『イントゥ・ザ・サン』にも参加)も準メンバーとして名を連ねている。
ある意味、恐ろしくなるほどの公私混同ぶりというか、もう少し彼氏彼女関係と仕事は分けたほうがいいような気もするが、これは父からの遺伝か、それとも母の教えか。

さて、高橋健太郎氏のライナーによると、この『ステレオ タイプ A』というタイトルには彼女達がアメリカで活動する中で受けた「日本人であること」「女性であること」故に受けた偏見に対するメッセージが込められているとのことだが、ほんと、マジっすよ、音。言っちゃ悪いけど彼氏みたいに(詳しくはここをどうぞ)ふにゃけた断り書きはなし。「圧倒的クオリティーでねじり伏せてやる」というフォースを感じます。

具体的な音を説明するには明らかに僕にはこういう「今の音」を説明するボキャブラリーに欠けるのだけど、羽鳥美保のちょっと舌足らずのラップ/ボーカルに、適度に生楽器やループを使ったヒップ・ホップが基調。でも、バラエティーは相当豊かだ。時に「シャーデー?」と思わせるような、J-WAVEで日曜の夕方に流れてもおかしくないようなサウンドも聴かせる。そして頭の先から足の先まで錬りに練った音の整合性が、多彩さを、トータリティーのあるものにしている。
駄曲は一切ないが、特筆すべきは重厚なバラード[13]の美しさ。また古い例えで悪いけど、エルトン・ジョンの「ロケット・マン」にも匹敵する孤独さ虚無感を感じました。

ただ、この作り込んだ音は向こうの人が望むチボ・マット像とはずれてきている可能性はあるかも。AMGのレーティングもファーストの"Viva! La Woman"が☆☆☆☆と1/2なのにもかかわらず、本作は☆☆☆。しかし、もう単なる「ストレンジな存在」ではなく、筋トレ走り込みを重ねた上での直球勝負にでたのだ。向こうのシーンでガチンコで頑張る彼女達は野茂並にかっこいい。伊良部や長谷川や佐々木なんてお呼びでないのだ。 (うらわ)

Amazon.co.jp アソシエイト
Cibo Matto
"Stereo Type A"

AmazonCibo Mattoを検索
This Item may be ... Almost Out Of The Track


←BACK ABC順に戻る

ABC順に進む NEXT→


フロント・ページへアルバム・レビュー・インデックスへガラクタ箱入り口へ何らかの足跡(掲示板)ご意見・ご感想をください!