Album Review "B"#4
アルバム・レビュー"B"その4



Badfinger
"Say No More"
Produced by Jack Richardson
& Steve Wittmack ('81)
1,4,6,7&10 Written by Joey Molland
2,3,5&8 by Tom Evans
9 by Tom Evans/Rod Roach

1.I Got You
2.Come On
3.Hold On
4.Because I Love You
5.Rock and Roll Contract

6.Passin' Time
7.Three TIme Loser
8.Too Hung Up On You
9.Crocadillo
10.No More

関連項目:
Tom Evans with Rod Roach "Over You"

81年のスタジオ録音最後のアルバム。このアルバムでもう最後だろうという気があったかどうか、タイトルは意味深である。トム・エヴァンスはこのアルバム発表後に自ら命を断ってしまう。

ビートルズでいえばジョンとポールがいなくなってしまったわけで、ズートルビでいえば江藤君と山田君がいなくなってしまったわけで、さすがにバッドフィンガーもここまでと思いきや、ジョーイ・モーランドは未だに「ジョーイ・モーランズ・バッドフィンガー」と名乗って、堂々世界中を廻っている。彼のそういう豪快さは、悲劇続きのバッドフィンガー・ヒストリーにおいて一種の救いだと思ってます。

さて、このアルバムも先の『ガラスの恋人』同様、99年現在ではCD化されていない。中古LPは『ガラスの恋人』よりは流通している様で、割とよく見掛ける。

ピーター・マックスの絵が印象的なジャケット、描かれたおっさんの横顔はどこか淋しげだ。しかし、内容も物悲しいかというと、そうでもない。どちらかというと騒がしい。
この時点でのメンバーは、ジョーイ、トムと、トニー・ケイ(キーボード、元イエス)、リチャード・ブライアン(ドラム)、グレン・シェルバ(ギター)となっている。

前作が青春甘酸っぱメロディーと、お気楽ギター・ロックの二本立てだとすると、本作はほぼ、お気楽ギター・ロック一直線である。
では、ジョーイが主導権を握っているのかというと、クレジットを見る限りではどちらとも5曲づつ提供しているから不思議である。

トム・エヴァンスという人も分かったような、分からないような人だ。キャラの立たなさ加減が印象的だ。優れたメロディー・メイカーであることは間違いないが、彼が理想とする音楽スタイルというのはどういう形のものだったのだろう。何となくピート以上に悲劇的な人、と思えなくもない。

さて、このアルバム、傑作と言うにはさすがに問題あるが、やはりいい曲は何曲かある。(同時に言えるのは、バッドフィンガーの特徴だろうが、どうしようもない曲というのは一曲もない)
まず一曲目のポップかつハードなブギを聴いて、僕はこのアルバムを許した。ジョーイが好きな人ならこの一曲で十分だろう。
そしてトムの方もさっき書いたように、ジョーイに引っ張られるかのようにロックン・ロール路線の曲が多い。『ヘッド・ファースト』に収録されるはずだった[5]や、ロッド・ローチとの共作の[9]をはじめ、『俺だってたまにはエレキ・ギターでシャウトだぜ、ベイべ』という感じ。その後ばたっと倒れてしまったのでしょうか。

『ガラスの恋人』同様、他の作品を全部聴いた人が買うべき作品だろうし、聴いた人ならそれなりに楽しめると思います。(うらわ)


付記:このアルバムも『ガラスの恋人』同様、その後CD化されました。
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Say No More
"Say No More"

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Badfinger
"The Best Of Badfinger Vol.2"
Produced by Charis Thomas
/Kenny Karner & Richie Wise
/David Malloy ('90)
1,3,5,6,10,11,12(Meanwhile Back At The Ranch)&14 Written by Pete Ham
2 by Pete Ham/Tom Evans
4,8,9(Some Other Time),
10(Should I Smoke)&17 by Joey Molland
7&9(In The Meantime) by Mike Gibbins
13 by Tom Evans/Bob Jackson
15 by Mike Gibbins/Tom Evans
/Bob Jackson
16 by Tom Evans

1.Know One Knows
2.Shine On
3.Lonely You
4.Give It Up
5.Song For A Lost Friend
6.Just A Chance
7.Your So Fine
8.Got To Get Out Of Here
9.In The Meantime
/Some Other Time
10.I Miss You
11.Meanwhile Back At The Ranch
/Should I Smoke
12.Lay Me Down
13.Passed Fast
14.Keep Believing
15.Moonshine
16.Lost Inside Your Love
17.Love Is Gonna Come At Last

ライノから出ているベスト盤。バッドフィンガーで出た初めてのCDだった。つまりは"Volume 2"となっているけれど、その時点で"Volume 1"は存在しなかった。今でもそういう名前のCDは存在しないけど、アップル時代のベスト盤がそれに当たるのだろう。

"Volume 2"の名前通り、74年の『涙の旅路』から79年の『ガラスの恋人』までの後期の曲が収められている。
[1]〜[11]までは『涙の旅路』と『素敵な君』からで、順当な選曲といえるだろう。いや、素晴らしい選曲といえるかも。

そして注目は、[12]から[17]。[12]〜[14]は75年に録音したけれでもお蔵入りしてしまった『ヘッド・ファースト』より。[12][14]はピート・ハムの曲だが、相変わらず素晴らしいポップ・ソングと泣き節。その後のことを考えると、本当、いつも通りという感じ。
[13][15]では新メンバーのはずだったボブ・ジャクソンが曲作りにも参加している。

[16][17]はピート亡き後の79年、ジョーイとトムによる再結成バッドフィンガー『ガラスの恋人』から。全然無視されているアルバムからもちゃんと収録されているところがにくい。
そしてその無視されているアルバムからの曲がしょーもないかというと、そんな事はない。トム・エヴァンスの[16]はバッドフィンガー初期の彼を思わせる胸キュン・ソング。ジョーイによる[17]も何故か負けじと甘酢っぱソング。なんかポールっぽい曲調。こころなしか声もポールっぽく聞こえる。

どうせなら79年のラスト・アルバム『セイ・ノー・モア』からも何曲か入れてもらいたかったが、ここまでやってもらえば十分か。ただし、このいかにもいい加減なベスト盤然としたジャケットだけは頂けない。
(うらわ)

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The Best Of Badfinger Vol.2
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Badfinger
"Day After Day"
Produced by Mark Healey
& Joey Molland ('90)
1,2,4&5 Written by Joey Molland
3 by Tom Evans
6,7,8,9&10 by Pete Ham

1.Sometimes
2.I Don't Mind
3.Blind Owl
4.Give It Up
5.Constitution
6.Baby Blue
7.Name Of The Game
8.Day After Day
9.Timeless
10.I Can't Take It

74年のクリーブ・ランド録音のライブ盤。90年(つまり、オリジナル・アルバムのCD復刻以前)にリリースされた。このアルバムの発売とほぼ時期を合わせて、ジョーイ・モーランド率いる「バッドフィンガー」も来日した。

74年といえばアップルからワーナーにレコード会社も移った微妙な時期。曲目を見ると[1][6][7][8][9]が『ストレート・アップ』、[2][10]が『ノー・ダイス』、[3][5]が『アス』、[4]が『涙の旅路』からとなっている。結構時代的にはバラバラで、何かのアルバムのプロモーションという意味合いは無い事が分かる。細かいレコーディングの年月日は記されていないので推測となるが、『涙の旅路』発表以前という事か。

それにしても『ストレート・アップ』から5曲とは、このアルバムがバンドにとっても重要なアルバムだという事が分かる。発表間もないにもかかわらず、『アス』は2曲。世間の評価とほぼ一致している。(それともこのアルバムが編まれる時にそういう選曲をしたのか?)

一聴、ハードかつきれいな音の仕上がりで、かなり手を加えてあるのが分かる。もっとも手を加えられるのはジョーイとマイクのパートだけですが。
まあ、個人的には「音を加えちゃライブ・アルバムと言えない!」とかいうこだわりは全然ないので、全く問題なし。むしろあんまりまずいもん聴かされるよりかは、どんどんいじってもらいたい。

ジョーイのパートはいじってるにしても、各所で聴けるハモリはかなりのもの。ハードなギター・ギャンギャン・プレイも合わせて鑑みると、かなり場慣れしたライブ・バンド然としたバッドフィンガーが浮かび上がってくる。なんだかアルバムと違い、フロントにはジョーイ・モーランドが3人並んでいるような感じだ。ルーズ&ハード(&几帳面コーラス)です。

聴きものはやはりアルバム・タイトルにもなった[8]か。コーラス、ピートのスライドを含め、美しい仕上がりです。あとはやけくそに走りまくる[10]か。ビートルズの『ロング・トール・サリー』、ウイングスの『ハイ・ハイ・ハイ』に匹敵するやけくそ加減です。(うらわ)

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Day
"Day After Day" [FROM US]

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