Album Review "B"#3
アルバム・レビュー"B"その3


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Badfinger
"Badfinger"
Produced by Chris Thomas ('74)
1,4,7&10 Written by Pete Ham
2 by Pete Ham/Tom Evans
3,6&11 by Joey Molland
5,8 by Tom Evans
9 by Mike Gibbins
12 by Joey & C.Molland

1.I Miss You
2.Shine On
3.Love Is Easy
4.Song For A Lost Frieand
5.Why Don't We Talk
6.Island
7.Matted Spam
8.Where Do We Go From Here?
9.My Heart Gose Out
10Lonly You
11.Give It Up
12.Andy Torris

邦題『涙の旅路』。74年のワーナー移籍第1弾。バッドフィンガーといえば、アップル時代がやはり人気が高いみたいだけど、ワーナー時代のものがいまいちかといえば、そんな事はない。それどころか、全アルバム中このアルバムが、僕は一番好き。

一曲目の繊細な仕上がり。フルートの調べも効果的で、前作からプロデュースのクリス・トーマスがいよいよ本領を発揮。アヴェレージ・ホワイト・バンドをホーン・セクションに招いた[7]も、うまい事仕上げている。この人は管楽器の使い方うまい様だ。(ポールの『バック・トゥ・ジ・エッグ』とかでも良かったですよね)

そしてなによりこのアルバムが素晴らしいのは、ピート・ハムが元気な事。得意の泣き節も[4][10]で発揮。特に[10]は森本レオに日本語訳した詞を曲に合わせて朗読してもらいたいほど素晴らしい。先の[7]ではJB風の曲をあくまで白っぽくやっててかっこいい。

トム・エヴァンスの[5]もピートのお株を奪う泣きの名曲。どのくらい名曲かというと、ジェリーフィッシュがイントロ部分をパクるほど名曲です。そして、ピートとトムの共作の[2]も見事なポップ・ソング。こういうのがヒットしないのは、時の運としか言いようがないんでは。

一方、ジョーイ・モーランドは相変わらずマイ・ペースでロックン・ロール路線を突っ走っている。[12]なんかはメロディックで好きだけど、[3]とかは結構雑な作りかもしれない。
しかし、この人はそういう人なんだからしょうがない。ピートとの軋轢はこういうところから始まったのかもしれないけど。二人の方向性はかなり離れてきている感じはある。

邦題の『涙の旅路』というのはなんなのでしょうね。『朝丘雪路』みたいですね。津川さんもびっくり。(うらわ)

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Badfinger
"Badfinger" [FROM US]

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Badfinger
"Wish You Were Here"
Produced by Chris Thomas ('74)
1,4,5&9(Meanwhile Back At The Ranch) Written by Pete Ham
2&6(In The Meantime) by Mike Gibbins
3,6(Some Other Time),7
&9(Should I Smoke) by Joey Molland
8 by Tom Evans

1.Just A Chance
2.You're So Fine
(素敵な君)
3.Got To Get Out of Here
4.No One Knows
5.Dennis
6.In The Meantime
/Some Other Time
(そのうちに、そしていつの日か)
8.Love Time
9.King of the Load
10.Meanwhile Back at the Ranch
/Should I Smoke

邦題『素敵な君』。ついにこのアルバムか。74年のワーナー2枚目にして最後のアルバム。そしてオリジナル・メンバーによる最後のアルバム。このアルバム発表後ジョーイ・モーランドは脱退。そして翌年ピート・ハムは自殺してしまう。

1曲目、いきなしピートのロックン・ロールな曲から幕開け。なかなかハードで熱いナンバーである。しかし、この人の曲を形容すると、「熱い」とか「泣き」とか「ガッツがある」とか言いたくなる事が多い。それが当時全然売れなかった理由の一つであろう。ビートルズの演歌的解釈とでも言うべきか。
まあ、もう少し世渡りがうまくて、その演歌的資質を「シンガー・ソング・ライター」とでもパッケージして売り出せば、全然結果は違ったかもしれない。でも、この人は最後までバッドフィンガーというバンドにこだわり続けたようである。

さて、このアルバムも佳曲ぞろいである。[4]はやはりピートの筆による見事なポップ・ソング。間奏部分ではサディスティック・ミカ・バンドのミカさんが日本語の語りを入れている。このアルバムのプロデューサーは前作に引き続きクリス・トーマスなのだが、同じ年にミカ・バンドの『黒船』も手がけているので、その関係からの参加だろうか。
(結局、クリス・トーマスとミカは付き合うことになる。加藤和彦はブロークン・ハートでバンドは解散。なんか大学生のバンドみたいですな)

[8]は松村雄策氏が以前、「この世で一番美しい曲」といっていたジョーイの曲。この曲や[3]など、何故かこのアルバムでのジョーイは叙情的。
そして大団円という感じの[10]。メドレー形式で前半はピート、後半はジョーイの曲。『アビー・ロード』を思わせる出来で、ジョーイの曲に切り替わるところは何度聴いても鳥肌が立つほどかっこいい。

と、アルバムが出てから25年も経つのに、どっかの日本人が熱く語っているのをピートが天国から見ていてくれて、少しでも彼が喜んでくれたら、と思っています。(うらわ)

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Badfinger
"Air Waves"
Produced by David Malloy ('79)
1 Written by Joey Molland & Tom Evans
2,3&9 by Tom Evans
4,7&8 by Joey Molland
5&6 by Joe Tansin

1.Airwaves
2.Look Out California
3.Lost Inside Your Love
4.Love Is Gonna Come At Last
5.Sympathy

6.The Winner
7.The Dreamer
8.Come Down Hard
9.Sail Away

邦題『ガラスの恋人』。79年の再結成バッドフィンガー。当然ピート・ハムは参加していないわけで、ファンの間でもほぼ無視された存在だ。ディスコグラフィーとかでの扱いも、大抵扱いが小さいか、全く触れられていないか、どっちかだ。

再結成までの流れは、ロサンジェルスで結成されたジョーイのバンドにトム・エヴァンスが合流して、結局昔の看板を担ぎ出すことになったらしい。マイク・ギブンスも一時期参加したが、プロデューサー(デヴィット・マロイ)と対立して最終的にはクレジットされていない。

固定的なメンバーは、ジョーイ、トムとジョー・タンジン(ギター)の3人だけで、あとはスタジオ・ミュージシャンが起用されているようだ。ドラムはアンディー・ニューマークとケン・ハルクの2名がクレジットされている。
スタジオ・ミュージシャンといえば、ニッキー・ホプキンスが[3][5][7][9]と4曲も参加している。彼の参加しているレコードに何故かはずれというものはあまりないが、このアルバムも例外ではない。結構いいアルバムではないか。

バッドフィンガーのリーダーはやはリピートだったわけで、彼の不在が大きく影響するのは当たり前な話しだ。
しかし、トムにしてもジョーイにしても他のチームに行けばクリーン・アップを打てるソング・ライターなわけで、長嶋なき後は王と張本で巨人は守っていくぜ、というところか。(巨人ではないな、バッドフィンガーは。ロッテか、タイトルも『ガラスの恋人』だし)

特にトム・エヴァンスはワーナー時代より良い曲を書いているんではないでしょうか。[3][9]なんかは彼のベストな作品群に入れてもよさそう。
ジョーイは相変わらずいつもジョーイなわけで、良くも悪くも変わらないが、ちょっと面白いのはジョー・タンジン。[5][6]と2曲書いているがどちらも悪くない。ギターの資質も含めてジョーイと少し似ている感じがする。ただし彼は全く歌えない様で、どちらもボーカルをとっていない。その方がファンにとっては違和感がなくてありがたいけど。

99年現在CD化はされていないが、中古LPは比較的安価で買える。僕はバーゲンで1800円くらいで買ったと思う。
流通している量自体はそんなに多くはないと思うのだが、やっぱり人気がないのでしょう、この時代の作品は。しかし、少なくともCD作品を全部揃えた人なら、買って損をしたと思うことはないだろう。
(うらわ)


付記:上の文章を書いた後、ボーナス5曲入りでやっとCD化されました。でも、早く買った方がよさそうですね。最近ではアップル盤CDさえプレミアが付いてきちゃったくらいですから。
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