Album Review "B"#2
アルバム・レビュー"B"その2



Badfinger
"Straight Up"
Produced by Todd Rundgren
/George Harrison/Geff Emerick ('71)
1,2,6,9,11,15,17,&18 Written by Pete Ham
3,12&13 by Tom Evans
4&14 by Tom Evans/Joey Molland
5,7,8,10&16 by Joey Molland

1.Take It All
2.Baby Blue
3.Money
4.Flying
5.I'd Die Babe
6.Name Of Game
7.Suitcase
8.Sweet Tuseday Mornig
9.Day After Day
10.Sometimes
11.Perferction
12.It's Over

CD Bonus Tracks
13.Money
14.Flying
15.Name Of Game
16.Suitcase
17.Perfection
18.Baby Blue

71年のバッドフィンガーのサード。当初ジェフ・エメリックのプロデュースでレコーディングが行われ一旦アルバムは完成していたが、アップル側は出来が気に入らなかったらしく、お蔵入りとなった。その幻のアルバムの大部分は[13]〜[17]と、『ノー・ダイス』のボーナスで聴く事が出来る。

結局、今度はジョージのプロデュースの下で再レコーディングが行われた。[5][6][7][9]はジョージのプロデュース。結構バンドともうまく行ってたようで、[9]では泣きのギターなんか弾いている。

そこら辺の様子はライナーでジョーイ・モーランドが皮肉交じりで語っていて面白い。「ジョージが『僕がスライドギターを弾くのはどうかな?』と言うもんだから、彼はヒーローだし、ビートルズなわけで、『どうぞ、どうぞ、ぜひ』って答えたよ」
彼は荒削りな音が元来好きな人だから、どうもジョージの仕事は気に入らなったらしい。実際、[7]と[16]を聴き比べたら[16]の方が断然いい!
しかし、ピート・ハムとは同じ泣き節仲間ということで相性も良かったのか、[6]や[9]はなかなかいい仕上がりだと思う。ピートはどう考えていたのかぜひ知りたかったところだ。

ところでアルバムの方だが、そのままジョージがプロデュースできない事態が持ちあがった。バングラデッシュ難民救済コンサートである。結局そっちにかかりきりになってほっぽかれた上に、ピートとトムは手伝いまでさせられて、ジョージの後ろで『ヒア・カム・ザ・サン』のギターまで弾かされている。

そんなわけで、次に起用されたのはトッド・ラングレン。バンド側は彼のことを全然知らなかったので、慌ててレコード屋に行って彼のLPを買ったそうだ。結局アルバムは彼の手で仕上げられる事になったが、プロデュースのタイプとしてはジョージと同じもこもこサウンド系なので、全体にしっとりとした、トータル感のある作品となった。
制作過程がひどくても出来のいい作品というのは結構多いよね。(たとえば同じトッド・ラングレン・プロデュースのXTC『スカイラーキング』も喧嘩沙汰で作られたらしい)

しかし、個人的にはジェフ・エメリック・プロデュースの[13]〜[17]ももったいなく思う。ジョージ・マーティンがオーケストラ・アレンジをした[13][14]なんかもほんといい出来。まあ、こうして聴けるからいいんだけど。

[9]は全米4位、[18]も全米14位のヒット曲。(ここら辺でバッドフィンガー史から「ヒット」という言葉は消えていく。かなしい) 本人達の心境はともかく、ファンの間ではかなり人気の高いアルバムのようだ。地味だけど最高傑作、かな。(最高傑作が地味だというのもバッドフィンガーらしい)(うらわ)

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Straight Up
"Straight Up" [FROM US]

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Badfinger
"Ass"
Pruduced by Chris Thomas & Badfinger
/Todd Rundgren ('73)
1&10 Written by Pete Ham
2,3,4,6,9&11 by Joey Molland
5&7 by Tom Evans
8 by Mike Gibbons

1.Apple Of My Eyes
2.Get Away
3.Icicles
4.The Winner
5.Blind Owl
6.Constitution
7.When I Say
8.Cowboy
9.I Can't Love You
10.Timeless

Bonus Track
11.Do You Mind

関連項目:
バッドフィンガー
『アス』を立体化してみたよ!

73年のアップル時代最後のアルバム。このアルバムだけなかなかCD化されなくて気をもまされた。一時はもう出ないのかと思って、ベスト・アルバムを買ってしまった。(このアルバムから4曲収録されているのだ)

レコーディングは相変わらず混迷気味で、セルフ・プロデュースのはずが思うように行かず、結局アップル側からの提案でクリス・トーマスが起用されている。彼の持ち味はクリアかつ端正に音を仕上げるところだろうが、余りこのアルバムからクリス・トーマスらしさというのは感じない。([4]と[9]はトッド・ラングレンのプロデュース)

このアルバムはアップル時代の中では最も軽視されているアルバムだろうが、まあ、ちょっと分かるかな。
一番の原因はピート・ハムの元気の無さだろうか。元々顔色悪いのに、このアルバムではさらに無口になっている。提供曲はなんと[1]と[10]のみである。[1]の発売当時の邦題は『なつかしのアップル』。まだ移籍していないのに、もう懐かしがってどうする。

ジャケットのロバ(Ass)はにんじんにつられて荒野を進もうとしている。これは多額の契約金に釣られてアップルからワーナーへ移籍しようとしているバンドの姿を描いているといわていれる。ピートとしてはそれがいやでいやで、暗くなってたみたいね。

でもさ、しょうがないじゃん? アップルって結局もう駄目だったわけでしょう。そして、ロバはうまくにんじんにありつけたかというと、結局ジャーマネに騙されて週100ドルしかもらってなかったらしい。そう思うとこのジャケットは本当に本当に悲しい。

あー、やだ。話しが湿っぽすぎる。さて、ピートが黙っちゃてっる分、他のメンバーががんばってる。シブガキ隊の薬丸も「グループのいいところは、収録中機嫌が悪くても他のメンバーがしゃべってくれればなんとかなるところ」と語っていたが、バッドフィンガーにも優秀なソングライターがあと二人いる。
特にがんばっているのがジョーイ・モーランドで、バンドをのっとる勢いだ。ジョーイ・ファンにはたまらないアルバムかも。[4]ではジョン・レノンにまで毒を吐いています。

一曲一曲は好きなんだけど、なんか寂しい気持ちのしてしまうアルバムだなあ。(うらわ)

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Ass
"Ass" [FROM UK]

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Badfinger
"The Best Of Badfinger"
Produced by Paul McCartney
/Tony Visconti/Mal Evans
/Geff Emerick/Todd Rundgren
/Chris Thomas & Badfinger ('95)
1 Written by Paul McCartney
2,7,12&18 by Tom Evans
3 by Tom Evans/Pete Ham/Mike Gibbins
4 by Ron Griffiths
5$10 by Tom Evans/Pete Ham
6,8,11,14,16,17&21 by Pete Ham
9,&3 by Tom Evans/Joey Molland
15,19&20 by Joey Molland

1.Come and Get It
(マジック・クリスチャンのテーマ)
2.Maybe Tomorrow
2.Rock Of All Ages
4.Dear Angie
(いとしのアンジー)
5.Carry On Till Tomorrow
(明日の風)
6.No Matter What
(嵐の恋)
7.Believe Me
8.Midnight Caller
9.Better Days
10.Without You
11.Take It All
12.Money
13.Flying
14.The Name of the Game
15.Suitcase
16.Day After Day
17.Baby Blue (U.S. Single Mix)
18.When I Say
19.Icicles
20.I Can Love You
21.Apple Of My Eye

95年に出されたアップル時代のベスト。ビートルズでいうと赤盤か。(随分地味な赤盤だね)
99年現在、このCDを除くと東芝EMIからのライン・アップは入手が困難になりつつあるようだ。故に手軽にバッドフィンガーに入門しようとすると、まずこのCDという事になるだろうか。

多くのベスト盤がそうであるように、他のオリジナル・アルバムを聴いた者からしたら、なんか物足りない気もする。しかし、よく曲目を見ると、なるほど、という選曲です。
[1]〜[5]が『マジック・クリスチャン・ミュージック』、[6]〜[10]が『ノー・ダイス』、[7]〜[17]が『ストレート・アップ』、[18]〜[21]が『アス』から収録。万遍なく時代順に配列されている。[1][6][16]のようなヒット曲も網羅。
文句はないですな。うん。

ビートルズはやはり『赤盤』『青盤』から入る人多いのではないのでしょうか。それですんなり他の作品にも入って行ける。でも、僕の個人的な意見なのですが、ビートルズのようにベスト盤(=シングル曲)から他のオリジナル・アルバムを聴いていって違和感のないバンドは少数派なのではないでしょうか。
大抵のバンドは「ベスト盤」より、「代表作」から聴いた方が、すぐにそのバンドの持ち味や世界が分かるんじゃないかな。そういう意味ではバッドフィンガーも『ノー・ダイス』や『ストレート・アップ』辺りから聴いた方が分かりやすいと思う。(僕は『涙の旅路』から聴きましたけど)

逆にこのアルバムだけしか聴いたことがないという人がいたら、もう1枚くらい他のアルバムも試してもらいたいな。(うらわ)

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The Best of Badfinger
"The Best of Badfinger" [FROM UK]

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