Album Review "A"
アルバム・レビュー"A"



Al Yankovic
"Fat"
Pruducued by Rick Derringer ('88)
All Songs Arranged by Al Yankovic

1.Fat
2.Stuck In A Closet With Vanna White
3.(This Song's Just) Six Words Long
4.You Make Me
5.I Think I'm A Clone Now
6.Lasagna
7.Melanie
8.Alimony
9.Velvet Elvis
10.Twister
11.Good Old Days

アル・ヤンコビックといえば、徹底したパロディ・ビデオが話題になった「今夜はイート・イット」がアメリカでヒットした時に来日も果たし、「おれ達ひょーきん族」に出演、「ひょーきん・ベスト・テン」で歌っていた記憶がある。その時はエビの着ぐるみをしていた西川のりおの腕に噛みついて(しかも2回)、「なんや!?このおっさん」と他の出演者を引かせていた。
TVの前の僕も「頑張ってるのは分かるけど、所詮日本とアメリカ、笑いの質が違うんだよね」と結構冷静に見ていた(当時中学生)。

アル・ヤンコビックの笑い、そんなわけでそれ程興味がなかったのだが、「ベスト・ヒット・USA」で、このアルバムの冒頭曲[1]のプロモが流され、曲後の克也さんのおしゃべりタイム、バックに流れていたのはアルによる「セット・オン・ユー」のパロディー曲だった。
流れたのは一瞬だったので、どうしてもちゃんと聴きたくてアルバム購入も考えたが、当時の僕の小遣いでは、どう考えてもそれは無理だった(一曲だけのためにこれ買うよりも、他のCD買ったほうがいいか〜、みたいな)。

で、12年後のこの間、中古レコード屋で450円で売っていたので買ってみました。

「セット・オン・ユー」話を少しすると、これは初めてリアル・タイムに買ったジョージのソロ・アルバム『クラウド・ナイン』のファースト・カット・シングルであるし、感慨深い。チャート的にもグングン上昇して興奮したなあ。「一位になっちゃうかも〜」みたいな。
実際、「アメリカの有名な業界紙」ラジオ&レコードでは一位を獲得。克也氏も「この曲は彼の息子が『これいい曲だね』と言ったことからシングル・カットしたそうです。実はこの曲ラジオ局から徐々に火がつき、ヒットしました。『ビートルズのおまけ』で、一位を獲ったわけではないようです」とコメントしたのを覚えている。
「FMステーション」の全米シングル・チャートの見出しも「年明けの一位はジョージ・ハリスンで和やかに幕開け〜」とか書いてあったような。

先にも書いたように、僕にとってのアルのパロディは「今夜はイート・イット」なんかで分かるように、割りと理詰めの徹底した物まねの印象。あと、原曲の歌詞の韻を踏みつつ、いかに下らない歌世界を構築するかなんだろうけど、ここら辺英語分からない人間にはつらいんだよね〜、と思っていた。

で、件の「セット・オン・ユー」のパロディー曲である[3]を何気に聴いたら、受けまくってしまいました。この歌詞面白いっすよー。何しろ、歌詞ないんだも〜ん。

「♪歌詞が6語分しかないんだよ〜」から始まって「♪何も歌詞を思いつかなったんだよ〜」と延々「歌詞がない」という内容のことを歌い続けている。途中「♪どうやって3分持たせようか〜」なんてぼやきつつ、結局「歌詞がない」という内容のまま終わる。

こういう歌詞だったんだ〜。くだらね〜。少し感動しました。途中「歌詞がない」と言いながらも微妙に原曲の詞を引用したり韻を踏んだりして、「職人芸だなあ」と感心もしました。
あの喉に何か引っかかったようなジョージの歌い回しも、結構上手く真似してますしね。

完全に余談だが、この中古盤、いわゆる見本盤だったのだが、レコード会社の「リリース企画書」なるもののコピーがもろに入っててびっくりしました。「キャッチ・コピー」「セールス・ポイント」「アルバム紹介」「アーティスト・インフォメーション」などからなるもので、同時に封入されていた萩原健太氏のライナー・ノートと見比べると、「なるほど、ライナーってこういう資料見ながら書くのだなあ」とよく分かる。ラジオのDJなんかもこういうの見てしゃべってるのでしょう。っていうか、そんな業界の仕組みを垣間見せるなよ>売り主。ちゃんとこういうものは抜いておくように(笑)。

その「アルバム紹介」よると、[2]はデイヴ・リー・ロス風、[4]はDEVO風、[5]はティファニー「ふたりの世界」のパロ、[6]は「ラ・バンバ」のパロ、[7]はスミス風、[9]はポリス・サウンド、[11]はジョームス・テイラー風とのこと。

ところでこのアルバム、海外では"FAT"ではなく、"EVEN WORSE"のタイトルで売られているようだが、確かにその方が面白いネーミングかも。(うらわ)

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America
"Hearts"
Pruducued by George Martin ('75)
1,4&10 Written by Gerry Beckley
2,8&11 by Dan Peek
3 by Dewey Bunnell/Gerry Beckley
5 by Dan Peek/Catherine Peek
6,7&12by Dewey Bunnell
9 by Dan Peek/Gerry Beckley

1.Daisy Jane
(ひなぎくのジェーン)
2.Half A Man
3.Midnight
4.Bell Tree
5.Old Virginia
6.People In The Valley
(谷間の人々)

7.Company
(仲間)
8.Woman Tonight
9.The Story Of A Teenager
10.Sister Golden Hair
(金髪の少女)
11.Tomorrow
(希望の明日)
12.Seasons
(四季)

70年代のビートルズ・フォロワーというと、大抵の記事で見る名前は似通っている。10cc、ELO、スタックリッジ、クラトゥー、パイロット、エミット・ローズあたりか。アメリカを取り上げている文章というのはあまり見ないけど、このアルバムを聴いて不思議に思いました。
もともとはC,S,N&Y辺りのフォロワーだったとのことで、僕の聴く音ではないなあ、と思っていたのですが。ジャケがね、すごいしね。

コーヒーが好きで毎日何杯も飲むけど、特に豆にはこだわりはないです。ネスカフェで十分。でも、砂糖の量はかなり厳密に決まってます。ブラックもたまに飲むと美味しいと思いますが、やはり、入れちゃう、砂糖。それも0.4杯くらい。0.5杯だとやや多い。あ、少し甘いなあ、と。飲んじゃうけどね。

砂糖は入ってるほうがいいけど、入れすぎは気持ち悪い。ポップな音は大好きだけど、どれでもこれでも好きなわけでもない。上に挙げたバンドも、概ね似たような音を出すけれど、やはり好みの差は出る。(まあ、全部好きなんだけどね) いわんや、もっと大甘なバンドはあまたありますよね。
アメリカはジャケから想像するにかなり甘めと思ってました。

先日友人と待ち合わせをしてまして、ひまつぶしに中古レコード屋でAから全部LPを見ることにした。高田馬場の「結構マニアック」と「かなり熱心な中古屋」の中間くらいの店で。Aから見だして早々、左のLPにぶつかりました。うーん、やはりすごいジャケだ。でも、裏返してびっくり。プロデュースがジョージ・マーティン、エンジニアがジェフ・エメリックではないか。黄金コンビである。それが600円。すぐ棚から出して確保。とは言っても客は僕しかいなかったが。

そして家に帰って一聴、気に入りまくりました。砂糖は0.4杯です。さすがジョージ・マーティン、ジェフ・エメリック。って、そっちばっかり称えたらバンド・メンバーに失礼か。
バンド名に反して、かなりブリティッシュな抑制の効いた仕上がり。ポールが思いっきり人の目を気にしてアルバムを作ったら、こんな音になるんでは。

ところで先のLP、日本盤で、ライナーの裏がバンドのポスターになっているのだけど、どっかに貼っていた形跡がある。どんな人の持ち物だったのだろうか。ロマンである。(うらわ)

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