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Joey Molland's Badfinger In Japan
ジョーイ・モーランド観劇記


バッドフィンガーがやってくる(こっそりと)


こちらはカラー版の広告。実際にレコ・コレに出ていたものは、モノクロ。「ジョーイ・モーランドのリーダー・シップによって、いま真価を問う!」とあるが、何とも苦しげな宣伝文句だ。
すべては右の広告を見て始まった。レコード・コレクターズ2月号をパラパラめくっていて目にとまった。ん?バッドフィンガー? またビデオでも出るのか? CDか? んんん? 来るの!?

場所は「スイートベイジル139」とある。うーん、知らない。値段は8000円。高っ。載っていた建物の写真からするに、クラブとかライブ・ハウスというより、「キャバーン」や「ケントス」みたいな、飲みーの食べーの、音楽聞きーのという感じの店の様だ。

掲示板で友人から、実際そういう店らしいと教えてもらい、ちょっと納得。何か食べ物でもついて8000円と思ったのだ。ならいいやと、前向きに検討。Tさんの許可を得、早速2枚分予約の電話。応対に出たのは下柳さん(仮名)で、3月28日(日)分を2枚確保。チケットの事前の受け渡し等はなく、当日受付で名前を言ってくれとのこと。なかなか変わった方式だが、面倒がなくていい。ただ、あんまり早く予約すると自分でいつの分を予約したのか忘れてしまいそうだ。
「チャージが8000円になります」との確認の声に、思わず「食べ物とか飲み物とかはつかないのですか」と聞いてしまう。「チャージのみになりますねえ」との返答に少ししょんぼり。まあ、致し方ない。ちょっとは予想していたのだけど、ちょっとは期待もしていたのだ。

あとは平常心で公演日を待つのみ。そりゃわくわくするが、相手が(一応)バッドフィンガーなら、別にCD聴いて予習する必要も無いし。以下はTonBの掲示板より。

国際フォーラムについてのゴミ情報 投稿者:T  投稿日:03月27日(土)10時05分43秒

フォーラム前を通り道にして、毎日通ってましたがホールには入ったことないです。
あまり、ポップアーティスト系の人は来てないようでした。
唯一、バート・バカラックが来た時は、ちょっと見たいな子猫ちゃんでしたが…
地下にコンビニがありました。エーエムピーエムです。
懐かしい映画の街よ。今は私、埼玉県の桶川(高崎線)に流されてしまいました。

明日は杉浦さんとバッドフィンガー見に行きます。
きっと、ジョーイ・モーランドはピートやトム作の有名曲は演ってくれないんでしょう。
スウィート・ベイジルは初めてなので、そっちも楽しみ。


バッドフィンガー 投稿者:かんとく  投稿日:03月27日(土)11時07分15秒

Tさん:
>唯一、バート・バカラックが来た時は、ちょっと見たいな子猫ちゃんでしたが…
考えてみたら、僕も相当みたい。今度きたら行こう。もう来ないんだっけ?それは
ポール・モ―リアだったか?

>懐かしい映画の街よ。今は私、埼玉県の桶川(高崎線)に流されてしまいました。
なに言ってんだよ。桶川も映画館あるじゃん。しかも二つ。あと、ケンタもあるじゃん。

>きっと、ジョーイ・モーランドはピートやトム作の有名曲は演ってくれないんでしょう。
僕の予想では、バリバリ、やってしまうのではないでしょうか。例えるなら、「ポール来
日公演!」って、思いっきりアンコールで『イマジン』やってしまうとかね。苦笑、みた
いな。まあ、デニー・レインじゃないんだから、どこまでプライド捨ててくれるのか分か
らないが、"I Can’t Take It"くらいの線はやってもらいたいよね。
でも、きみのいう通り、あんまし期待しない方が身のためか。

うーむ、非常な平常心でその日を迎えているのがよく分かりますね。ちょっと平常心過ぎるか(笑) 本当は結構どきどきしていたんだけど、全然文章に表れてませんな。あと、3月に入ってからだったかな、たしか23日と24日の公演は他のアーティストに差し替えになりました、という葉書が来て、一瞬どきりとしたりもした。2日分の公演中止の原因は定かではないが、あんまり予約が入らなかったのかもしれない。


『ユー・ガット・メール』は今までにない映画だ!


これがスイートベイジル139だ。なんだかよく分からんつくりの外観だが、ちょっとお洒落っぽい感じは分かるのでは。
ライブの日は何とも落ち着かなくて、ソワソワした挙句、早めに会場まで行ったりしていつも失敗していた。ストーン・ローゼズの時などあんまりは暇だったので、蒲田から川崎まで歩いたりして、始まる時にはへとへとだった。
最近はかなり慣れたもので、ライブの日は映画を見る事にしている。バッドフィンガー当日は、『ユー・ガット・メール』を観た。ハリウッド版『With love』ということらしいが、『With love』を見ていないので、どっちが面白いのかはよく分からない。ただ、ハリウッド版ゴジラというのはよくなかったな、今思い出しても。

あまりのハッピー・エンドにやや驚きつつ劇場を後にしたが、一緒の回を見ていたと思われるカップルが、「今までにない映画だったね」と語っているのにも度肝を抜かれた。

さて、映画も終わり、時間もそろそろいい頃である。われわれはスイートベイジルに向かった。場所は六本木である。キャバーンのすぐ近くで、地図を頼りに行ったらすぐ見つかった。なんだか不況がつづくいまの時代に、燦然と輝くバブリーな雰囲気な建物だ。ご丁寧に守衛の人がドアを開けてくれる。別に開けてくれなくても構わないが、開けてくれないより楽なので、それも構わない。
開場は6:30だが、われわれがついたのは6:50近くだろうか。客は5、6分の入りというところ。Tさんのリクエストで非常に前のほうの席を確保。非常に。何しろ前から二番目のど真ん中だ。ステージからも2本立ててあるマイクからも数mしか離れていない。


これがハンバーガープラッター。200グラム牛肉100%のパテをジューシーに焼き上げ、グリルした野菜とトマトをはさみこんでいる。
開演は7:30からなので、腹ごしらえをすることにする。ハンバーガープラッター(1200円税別)とビール。高いけどとても美味しかった。割とおすすめです。
僕の両隣は何故か革ジャンの男二人で、席と席との間も非常に狭いし、はっきり言ってうざったかったのだが(お互い様だよね)、ビールの2杯目を頼んだ頃には多少酔っ払ってあまり気ならなくなった。気分は結構よい。

ふとステージを見るとローディーらしきおジさんがギター・スタンドにギターを用意している。客は7分から8分程度入っていただろうか。前のほうはほぼ全部埋まっている。そろそろである。


早く出て来い、ジョーイ・モーランド

ついに時間がやってきた何故か『マーサ・マイ・ディア』(多分フールズ・ゴールドのバージョン)のSEが会場に流れる。3人の男がステージ上に。でも、あれ、ジョーイ出てこないぞ。早く出て来いジョーイ、と思ったらギターのおっちゃんがレコードの『マーサ』にあわせて歌う。げっ、まさか。
メガネの身長165cmくらいのおっさんがよく見るとジョーイでした。なんか見覚えあるぞと思ったら、さっきステージにギター並べてたおっさんじゃないか!自分で並べるなよ。しかもその時誰も気づいてなかったぞ。

彼はてれてれのシャツに黒のGパン、変な革靴というという出で立ち。髪を短く切っていて、メガネをはずすまでは、ミュージシャンというより変わり者の海洋学者のように見えました。バンド編成はジョーイを含めたギター、ベース、ドラムの3ピース。低予算でイカす!

一曲目は、『カム・アンド・ゲット・イット』。倒れました。しかし最後のブレークの所で何故か尻切れとんぼに終わる。みんな戸惑ったのか拍手のタイミングがちぐはぐ。その後もみんなライブを見なれていないとしか思えないへたくそ拍手で、途中から不本意ながら率先して拍手をして、タイミングをみんなに教える役割をしました。こんなのはじめて。変な客だ。(僕もそうか)


こちらは残念ながら日本公演ではなく、アメリカのバッドフィンガー・ファンの方から譲り受けた近影。
1.Come And Get It
2.I Don't Mind
3.Suitcase
4.Long Long Way Back Home
5.Baby Blue
6.Happy
7.The Dreamer
8.Sweet Tuesday Morning
9.Name Of The Game
10.The Bust
11.Another Day
12.Midnight Sun
13.No Matter What
14.Money/Flying
15.Moolah Rey
16.Dreams Of Thunder
17.What Happened
18.Come And Get It
19.Day After Day
20.Mean Jemima
曲目は右の通り。すごい選曲だ。バッドフィンガーやりまくり(ってバッドフィンガー名義の来日だから当たり前だけど)、ピートの曲歌いまくりだ。

8〜11はジョーイの弾き語り。12はベーシストの人がボーカルを取っていた。10と11は新曲だそうだ。ただただ至福の1時間半。ロックンロール野郎ジョーイをぽかんと見とれていた。僕個人としてはいままででも屈指のライブでした。

ジョーイのギターの印象は、「器用なギターだなあ」といったところ。ただしこの人はギターをはじめて持った頃からこのくらいは弾けたのかもしれない。ソロとかは明快なペンタびろびろろーんギターで、あまり変わったことはしない。そういうのが心底好きなのだろう。そこら辺がいいとこでもあり、限界でもある。
選曲にこれ以上不満を言ったら罰が当たるかもしれないが、"I Can't Take It"と"Love Me Do"は演って欲しかったなあ。でかい声でリクエストしたらひょっとしたら答えてくれそうな雰囲気だったので、試しに恥かいてみればよかった。

夢のようにショーは終わり、去り際、まさに僕に向かってピックを投げたのだが、目の前の兄ちゃんの反射神経がよく、さっと出した手にはじかれた。(その人ももはじいただけで、結局他の人に拾われてました)
最後にプレゼントやらなんだかを渡してるファンがいて、ほんの数mしか離れていなかったのだから、ドサクサにまぎれて握手でも求めれば出来たのだろうが、急にシャイで礼儀正しい日本人と化してしまい、ただ見つめているうちに彼は去っていってしまった。


君らは僕の家族だ!(※適当)


その時の写真。この手のものは勢いで参加しても、結局そのままということが多いが、しっかり送って頂いた。はるばる大阪からいらしていたファンの方だ。本当に本当に感謝しています。
至近距離であまりにすごい選曲のライブを見せつけられ、さらに本人とスキンシップを図るチャンスをむざむざ無駄にし、しばらく虚脱状態。みんな何故か帰らないからなんだろうと思ってしばらく様子を見てたら、ジョーイ、ふらっと戻ってきて、サイン会開始。

なにを隠そう、もしものためにマジックとCD『ノー・ダイス』、『涙の旅路』のブックレットを持ってきていたわれわれは速攻並んだ。みんな手にはTシャツやLPジャケを持ったつわものだ。そして、前の人達の写真撮影にドサクサにまぎれて参加。ジョーイは「君らは僕のファミリーだ」とか適当な事を言ってました。

大きな画像はクリックそして、Tサインもらいアンド抱きつきーの、僕もサインもらい握手しーのだった。分厚い手でした。「ショーを楽しんだか?」みたいな事を言われたが、硬直してほとんど反応できず、「See you next time in Japan」という訳のわからない英語を口走ってしまいました。彼は一瞬戸惑いの表情を浮かべてから、大体意味が通じたらしく、「わかった、勿論」みたいなまたも適当な返事をしていました。
僕らが帰る頃にはサインを待つ長蛇の列。あれを全部こなしたのでしょうか。

うーむ、ジョーイ・モーランドは僕の中ではポールとも勝るとも劣らない大きな存在で、(いい加減なところは少しキャラがかぶってますね)その人と握手&言葉をちびっと交すという行為ができて、帰りの電車では知恵熱でそうでした。

その晩興奮のあまり、ジョーイのサイトの掲示板にメッセージを寄せました。本人は見ているのかな。だとしたらうれしいのだが。少なくともこれを見たアメリカのファンの方が先の写真(ギターを引いているもの)を送ってくれました。

Hi,Joey. I'm a Japanese fan. I went to your show tonight. Thank you very very much for the great show! Probably you still are in Tokyo. Can you read this? If you read this in hotel room, I'm very happy. Can you enjoy staying in Japan? I hope so. Tonight's show is the greatest I've ever seen. With love
Urawa <kji-sugi@gc4.so-net.ne.jp>
Urawa, Japan - Sunday, March 28, 1999 at 07:53:26 (PST)

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